“君になりたい”を轟かせて、セッティングの段階からフロアを沸かせていたcinema staffが4番目のアクトとしてMOON STAGEに登場！　真っ白なフィードバックノイズを響かせて、今年リリースされたセカンド・フル・アルバムのタイトル曲“望郷”からライヴは幕を開けた。説得力に満ちた飯田（Vo＆G）のハイトーン・ヴォイスが観る者を魅了したメロウな序盤に続いて、「岐阜県から来ましたcinema staffです。どうぞよろしく！」（三島／B）と激情を滾らせて一気にスパート。爆音の快楽に悶えるように辻（G）はステージ狭しと暴れ回れば、フロアは力いっぱい腕を突き上げて応戦する。「行くぞ、幕張!!」（三島）と叫んで、さらに“奇跡”、“KARAKURI in the skywalkers”と連続投下。満場のオーディエンスもろとも、急激な上昇曲線を描いて沸点へと駆け上がった。

激しいパフォーマンスで息を切らしながら、「この時間、この場所を選んでくれてありがとう！」と飯田。「全力で演奏しますんで、最後まで楽しんでください」と続け、ドラム久野も「日本の伝統的なコール・アンド・レスポンスいきたいと思います――。またライヴ、来てくれるかな？」と呼びかけ、熱烈な「いいともー!!」が投げ返されるなか疾走感溢れる“AMK HOLLIC”から後半戦へ！　際立った歌メロ×技巧的かつ激情的なバンド・オーケストレーションというcinema staffの真骨頂を響かせながら、圧巻のカタルシスを生み出していく。爆発的なテンションで暴れ回ろうとも、1mmもブレることないアンサンブルはちょっと驚異的なほどだ。「来年もバリバリやって行きますんで、応援よろしくお願いします！」と三島が告げて、ラストナンバー“西南西の虹”をありったけの熱情を込めてプレイ。目の醒めるような轟音を響かせて、4人は颯爽とステージを後にした。（奥村明裕）