さあ、いよいよ2013年が近付いてきた。記念すべき10年目のCOUNTDOWN JAPANで、EARTH STAGEのカウントダウンを務めるのは、くるり! さらーっと現れると、「ビート! ベース! トランペット! ギター! くるりでございます!」という、岸田繁(Vo・G)による一人一人の紹介から“everybody feels the same”へ突入するという、何とも彼ららしいオープニング。ぎっちり埋め尽くされたフロアが、一瞬にして祝祭空間に変わっていく。「ロックンロールな年末にしましょう!」という言葉からはじまったのは、もちろん“ロックンロール”! さらに、佐藤征史(B)が「泣いても笑っても、あと数十分で2012年は終わりです。最高な2012年だと思って来年を迎えて下さい。終わりよければすべてよし!」と言うと、はじまったのは“ばらの花”、続けて“街”! まさに、終わりよければすべてよし、と思えるような名曲を畳み掛けてくれるじゃないか。しかも、彼らの楽曲って、今、さらに意味を増してきたような楽曲が多いのだ。一音一句を反芻しながら聴かずにはいられない。また岸田は、“argentina”を高らかに歌い上げたかと思うと、“chilipepper japonés”ではハンドマイクで身振り手振りも軽やかに歌うという、鮮やかな切り替えを見せる! そして「めっちゃようけいるやん。手え挙げてみようか。めっちゃ早いウェーヴやるで!」と、最前列から最後列まで、最後列から最前列まで、壮観なウェーヴを巻き起こす。最後に岸田が両手を挙げて、「そのパワー、みんな受け取ってやるから」と鳴らされた“WORLD'S END SUPERNOVA”は、本当に力強かった。いよいよ、その時が近づく。「いろんなことがありました」と岸田が切り出すと、ファンファンのトランペットと、権藤知彦のユーフォニアムが、ドヴォルザークの“新世界より”の旋律を奏で出す。じんわりと、2012年を振り返る時間を、彼らはくれたのだ。岸田が「新しい第一歩を踏み出しましょう」と言うと、いつしかスクリーンにカウントダウンが映し出されている! どよめきが一つになり、声を揃えてカウントをはじめる。10、9、8、7、6、5、4、3、2、1……遂に2013年! バシャーっと金テープが舞い、『A HAPPY NEW YEAR 2013』の文字がヴィジョンに踊る。そして、2013年の幕開けの一曲目に相応しい“ワンダーフォーゲル”がスタート! ファンファンのファンファーレのようなトランペットが響き、無数のカラフルな風船が振ってくる。フロアはいっせいに、踊り初め! さらに、清々しく“シャツを洗えば”、柔らかな“春風”と続く。何て気持ちいいい年明けなんだろう。岸田が「今年もよろしくお願いします、ありがとう!」とラストナンバー“glory days”へ。有りの侭の今を痛いほど伝え、それでも進んでいくことを優しく投げ掛けるこの曲が、この場にいたそれぞれの2013年に、余韻となって響きますように。(高橋美穂)
くるり のCOUNTDOWN JAPANクイックレポートアーカイブ
