関西発、男女ヴォーカルの心地好く、ポップなハーモニーを聴かせる3ピース・バンド――ハヤシコウスケ（Guitar / Vocal / Programming）、ハットリクミコ（Drum / Vocal）、ヤマシタタカヒサ（Bass / Chorus）による、シナリオアートが登場。ハットリの「いくぞー！」の声でスタートしたのは、キラキラとした爽快なメロディと、歌うようなベース・ラインが躍動感たっぷりの“ハロウシンパシー”。繊細で、切ない成分がたっぷりのハヤシのヴォーカルと、キュートでほっこりとエモーショナルなハットリのヴォーカルの二重奏でキュンと胸を揺らす曲に、フロアには、爽やかな風が吹く。ブレのない、パワフルな歌声を聴かせながら、キレッキレのドラミングでも魅せるハットリ。スカートと同じ、真っ赤な靴下でバスドラをキックしている姿が、とてもかわいい。“シュッシュポップ”では、そのハットリがメイン・ヴォーカルをとり、COSMO STAGEにポップな旋風を巻き起こした。
「2014年、最後の最後に、心から僕たちの意思を届けにやってきました。2015年がみんなにとって幸せな1年になるように、一生懸命歌います――シナリオアート、次のお話“ホワイトレインコートマン”」。ハヤシのMCから披露されたのは、シナリオアートらしい、ドリーミィでドラマティックなサウンドの1曲。男女ヴォーカルでかけ合って、物語が加速していく曲に、会場が揺れる。
ドラムの椅子に立ち上がってオーディエンスに呼びかけるハットリ。テンションがあがったのか「言おうと思ったこと忘れた！」と会場を和ませつつ、「COSMO STAGEとEARTH STAGE、宇宙と地球、どっちが大きいねん、こっちやろ！」とキメて、来年春にはフル・アルバムを出しますとアナウンス。「2015年はもっともっとシナリオアートの年にするから、見守っていてください」と、ラスト・チューン“スペイシー”へ。ステージのギリギリへとのりだしてプレイするヤマシタのアグレッシヴなベースをエンジンに、キラキラとしたポップな宇宙へと飛び出し、ハヤシのノイジーなギターがスパークする。明るく輝くサウンドに大きな歓声が沸き、エンディングで髪を振り乱しながらパワフルにドラミングするハットリに拍手が送られた。（吉羽 さおり）
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号（1/30発売）」に封入！ 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
