サウンド・チェックの時点でも凄かったのだけれど、いよいよ本編というところで中嶋イッキュウ(Vo&Gt)、が「おつかれじゃないですか? 2014年ラストなんで、よろしくお願いします」と告げた瞬間に解き放たれる、tricotの凶悪な爆音はマジでヤバい。歌い出しのフレーズをさっそくオーディエンスに委ね、「おいそんなもんかー!!」と煽りながら叩き付けられる“爆裂パニエさん”のコンビネーションは、この2014年末に至ってますます驚異的な成長を遂げている。

続く“POOL”で劈くような硬質なリフと冷んやりとしたリフレインの間を行き来するキダ モティフォ(Gt&Cho)のギター・プレイ。笑顔のまま髪を振り乱し、予測不能の変態アンサンブルを支えるヒロミ・ヒロヒロ(Ba&Cho)。そして飛び上がるように全体重を乗せてドラムを叩き付けるサポート・メンバー=山口美代子(Dr)の女子4ピースとなっているtricot狂騒は、あらゆるロック・ファンを根こそぎ道連れにしてしまうものだ。

“おちゃんせんすぅす”を寸断して生々しいコンビネーションを織り込むパフォーマンスを見せると、「このクソ寒いのによく来てくれたなあ! ここが、EARTH STAGEですか? ここがCOSMO STAGEだろうが何だろうが……あとはご想像にお任せします……」と息を切らしながら告げるキダ。そして中嶋は来る2015年にリリースするシングルとアルバムについて告知し、新曲“庭”を披露する。tricotのジェットコースターのようなダイナミズムを損なわず、強烈にダンサブルなフックを備えたキラー・チューンだ。

そして「かかってこいやーっ!!」と傾れ込む終盤は、危険で妖艶なヴァイブを振り撒きながら弾ける“99.974℃”を披露すると、中嶋が「2014年はtricotの形が大きく変わって、それをみんなが受け入れてくれるのに時間が掛かったと思います。みんなに嘘をつくよりは、自分たちのやりたいことを信じて、やってきて良かったです」「次にやる曲は、2014年のtricotにとっても、大切な曲になりました」と語り、エモーショナルなハーモニーごと広がる“Break”でフィニッシュ。「気持ちはもう、2015年へ。さいならあぁぁあ!!」とシャウトをかまして去るキダの姿からは、新たな季節に向けての意気込みしか感じられなかった。(小池宏和)





この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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