さあ、ASTRO ARENAの最初のアクトは、cero! 本日のEARTH STAGEのトリをつとめる星野源も所属するカクバリズムのアーティストである彼らが、昨年に続きCOUNTDOWN JAPAN 14/15に参戦だ。

1曲目の“Contemporary Tokyo Cruise”から飛び跳ねたくなるサウンドのダイナミズムと、ロマンチックで繊細な歌の世界を融合させながら、大きなうねりと共に祝祭空間を生み出して行く。オーディエンスも大きなステップを踏んだり、ステージに手を振ったりして、彼らからのギフトみたいな演奏に応えている。高城晶平(vocal/guitar/flute)によるフルートの美しいアウトロから一転、更に高揚感を煽るのは2曲目の“マイ・ロスト・シティー”。ヴィジョンには様々なダンスを踊る色んな国の人たちの映像が映し出され、まだ始まったばかりだというのに濃厚なグルーヴ感が会場に漂う。

「去年はカウントダウンをやらせてもらったんですけど、今年は28日のお昼にゆっくりやらせてもらえて、この方がええとは言わんけど、気楽です(笑)!」と高城の正直かつ和むMCに観客からは、声援や拍手が沸いた。

そして後半、「来年もよろしく!」という言葉で始まったのは、ちょっぴり切ない90年代感が漂う“Yellow Magus”。高城に荒内佑(keyboard/sampler/bass)、橋本翼(guitar/ clarinet)のceroメンバーと、リズム・セクション+ホーン兼パーカッションの大人数編成も定着してきた彼らのサウンドは頼もしい。

「今年は僕は結婚したり母親が死んだり、めちゃくちゃな1年だったんですけど。そんな2014年を終えてホッとしています。今年唯一出したシングルをやって終わりたいと思います」と、12月17日にリリースしたばかりのシングル曲“Orphans”を披露。メロウなサウンドに乗って、ゆっくりと非日常から日常へと想いを馳せるような時間が流れる。オーディエンスも思い思いに体を音に預け、とても気持ち良さそう。良かったことも、そうじゃなかったこともある、今年1年の様々な出来事を全部柔らかく包み込んでくれるような、そんなceroの音楽の魔法がASTRO ARENAいっぱいに注ぎ込まれた。そのジェントルで熱いアクトはまた来年の彼らの活躍を期待させるものだった。(上野三樹)




この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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