【JAPAN最新号】East Of Eden、5つの才能が走り出した世界への道

【JAPAN最新号】East Of Eden、5つの才能が走り出した世界への道
このバンド、世界基準。──オフィシャルYouTubeの概要欄に書かれたコピーが決して大袈裟ではない、破格のスケールを持ったバンドが登場だ。10月の初ワンマン「East Of Eden -World Premiere Special Showcase 2023-」の時点でたった1本のMV(“Evolve [Extended Version]”)が世に出ているのみながら、Zepp DiverCityを即完。それもそのはず、prediaの元メンバーであるボーカル・湊あかね、コロナナモレモモのベーシスト・わかざえもんを擁し、ギター・Yukiとドラマー・MIZUKIも数々の大舞台を経験済みの実力者。そしてバンドの仕掛け人でありオリジナリティとアイデンティティの根幹を成すAyasaは、ポップスやロックのフィールドを主戦場とするバイオリニスト、という面子である。


初舞台で彼女たちは高い期待度に見事応えてみせた。いきなり“Evolve”のカードを切ると、そのあとはフロアの誰も聴いたことのない楽曲たちばかりながら、重厚なラウドから猛烈な2ビートによるスピード感、デジタルなダンスナンバーまで千変万化のサウンドと、それを織り上げる個々のスキルフルな演奏で盛り上げ圧倒。可憐かつ凛々しいビジュアルや演奏中の所作、個々のキャラクターが垣間見えるMCでも魅了した。


ライブで披露された中から、デビューミニアルバム『Forbidden Fruit -1st piece-』には5曲を収録。ハードな曲調や、バイオリンとギターがかわるがわるリードを取り、間断なく攻めたてる疾走感と昂揚、聴き手を力強く導き鼓舞するようなリリックといった要素を軸に、“螺旋回廊”のオルタナ/プログレ的アプローチや、ヒロイックな導入からダンスチューンへ至る“This Moment”など、容易にカテゴライズできない懐の深さも。名刺代わりであると同時に、大いなる可能性の片鱗も随所に見て取れる1枚に仕上がった。

本作が「1st piece」と銘打たれた以上、「2nd」以降も控えているはずだ。磨き抜いてきた個性と才能を交わし合う5人の前途には今、可能性しかない。

文=風間大洋
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年1月号より抜粋)


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