【JAPAN最新号】Vaundy、ついに露わになった革命的ニューアルバム『replica』、君はどう聴く? 新曲だらけのDisc 1が伝えるもの、切り拓く未来、そのすべてを全曲レビューで解く!

【JAPAN最新号】Vaundy、ついに露わになった革命的ニューアルバム『replica』、君はどう聴く? 新曲だらけのDisc 1が伝えるもの、切り拓く未来、そのすべてを全曲レビューで解く!
11月15日に全35曲という異例のボリュームを伴ってリリースされた、Vaundyのニューアルバム『replica』。約3年半ぶりに届けられたこの超大作は、なぜ大ヒットシングルが時系列順に並ぶDisc 2だけでなく、ほとんど新曲で構成されたDisc 1を必要としたのか。その答えは、ぜひ先月号の表紙巻頭インタビューに刻まれたVaundyの言葉を読んでほしいが、このDisc 1こそ彼が日本の音楽シーンに企てた革命の一歩であるとして、JAPANはDisc 1に焦点を当てた全曲レビューをお届けする。

『replica』は、タイトルとして掲げられた「レプリカ」という概念を軸に、デヴィッド・ボウイや細野晴臣やニルヴァーナや坂本慎太郎など古今東西のポップスが1枚に収斂した記念碑的アルバムだ。しかし『replica』がすごいのは、そうした過去の「レプリカ」の集積であるということにとどまらない。「今」この瞬間のグローバルレベルのポップが高らかに鳴り響き、ここを基点として未来の音楽シーンに向けてもあまねく開かれた、過去も未来も洋楽もJポップもすべて繋ぐハブになっているところにある。

意義深いアルバムコンセプトといい、「レプリカ」元として挙げられているアーティストといい、何かにつけて小難しく語りたくなってしまう作品ではあるが、決して難解なアルバムではない。そのサウンドは極めて肉体的で聴き手の体と心を軽やかに揺らし、音に添えられた言葉にはVaundyの「熱い」パーソナリティがメラメラと燃えたぎっている。まずは何も考えずキャッチーなサビのメロディに耳を委ね、至極のポップスの世界を心ゆくまで楽しんでほしい。

とは言え、Vaundyが「みんながDisc 1を理解できて好きだと思ったら、ポップスが変わる」と喝破していたように、聴く側の審美眼が試されるようなアルバムであり、批評するとなるとさらに深いレベルでの理解力が求められる作品であることも事実だ。そんなVaundyからの挑戦状を受けた3人のライターは、「日本のポップのすべてを変える」という彼のピュアな思いに着火され、いつにも増して熱のある言葉で『replica』に食らいついてくれた。Disc 1、全15曲を音、言葉、メッセージ、全方位的に解き明かす全曲レビューを手引きとしながら、この稀代の名作をじっくりと読み解いていこう。(畑雄介)

文=小池宏和(01〜05曲目)、杉浦美恵(06〜10曲目)、小川智宏(11〜15曲目) 撮影=太田好治
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年1月号より抜粋)


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