今週の一枚 チャットモンチー『CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE ~I Love CHATMONCHY~』

今週の一枚 チャットモンチー『CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE ~I Love CHATMONCHY~』 - DVD / Blu-ray『CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE ~I Love CHATMONCHY~』DVD / Blu-ray『CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE ~I Love CHATMONCHY~』
今年7月4日に開催された日本武道館ワンマンライブ「CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE ~I Love CHATMONCHY~」と地元・徳島での自身主催フェス「チャットモンチーの徳島こなそんそんフェス2018 ~みな、おいでなしてよ!~」を最後にバンド活動を「完結」させたチャットモンチー。
その13年間の道程を総括する2作品=音源ベスト『BEST MONCHY 1 -Listening-』(10月31日発売)&映像ベスト『BEST MONCHY 2 -Viewing-』(11月23日発売)に先駆けてリリースされたのが、上記の武道館ラストワンマンを映像作品化した今作=『CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE ~I Love CHATMONCHY~』。
当日の模様は別途ライブレポートにも書いたが(https://rockinon.com/live/detail/177777)、最新作にしてラストアルバム『誕生』を象徴する実験精神に満ちた楽曲“たったさっきから3000年までの話”を奏で始める瞬間の橋本絵莉子&福岡晃子の緊迫の面持ちや、終盤へ向かうにつれて感情のままに震える橋本の歌声、そしてアンコールで「今優しい言葉かけられたら、もうえっちゃんヤバい!」と言いながら先に涙をこらえきれなくなる福岡――といった決定的瞬間まで含め、今作はMCのひと言も漏らさず完全収録。あの宝物のような一夜に幾重にも交錯していた想いが、その表情から鮮明に浮かび上がってくる、珠玉のライブドキュメントだ。

『誕生』の楽曲を中心に、自身の「最新型」の音楽を提示しきった「第一部」。「チャットモンチー・アンサンブル」と橋本が命名したストリングスチームと初の共演を果たした「第二部」の前半。『共鳴』当時のサポートチーム「男陣」でお馴染みの恒岡章を迎えて“さよならGood bye”、“どなる、でんわ、どしゃぶり”、“Last Love Letter”、“真夜中遊園地”といった3ピース時代のエッジ感に満ちたオルタナナンバーを連射した「第二部」後半……。この日の武道館に立っていたのは紛れもなく、常に挑戦と冒険の音楽であり続けたチャットモンチーそのものだった。

そして――この日のライブは、13年間ひた走り続けたチャットモンチーの日々への追想であり、心からのオマージュでもあった。それは同時に、ふたりの活動を見守りバンドを支持し続けたオーディエンスへの何よりの感謝のメッセージでもあった。

《好きでも嫌いでも 好きさ/会っても会わなくても 忘れない/だめでもだめだめでも 許すよ/どうせ嫌いにはなれない》という元ドラマー・高橋久美子の歌詞が胸に迫る“砂鉄”。《飛行機で70分 空の旅/東京は思ったより近かった/右も左もわからない 前しか見えない/徳島は思ったより遠かった》といった言葉のひとつひとつから、音楽の力だけでシーンに対峙し道を開いたバンドの歩みがリアルに立ち昇る“majority blues”。そして、アンコールのラストに披露した“サラバ青春”の《きっといつの日か笑い話になるのかな/あの頃は青くさかったなんてね》というフレーズが、観る者すべての「チャットモンチーとともに過ごした季節」を思い起こさせる――。
「CHATMONCHY is FOREVER」。終演後に映し出された言葉はそのまま、その音楽を愛する僕らの想いでもある。後日リリースの音源&映像ベストとともに、あの夜のすべてを心行くまで追体験していただきたいと思う。(高橋智樹)
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