さユり | COUNTDOWN JAPAN 16/17 | クイックレポート

ASTRO ARENA 12/29 13:00

揺らぎ軋む心を解き放つ、「酸欠少女」の渾身の歌

2日目ASTRO ARENAのライブアクトトップバッターはCOUNTDOWN JAPAN初出演・“酸欠少女”さユり！イエロートップのアコギをかき鳴らしながら“それは小さな光のような”を熱唱するさユりの凛とした声が、ガスマスク姿のサポートメンバーによる分厚いアンサンブルをも貫くように響くと、広い会場が一瞬にして切迫した魂の戦場へと塗り替わっていく。

さらに“プルースト”に続けて「こっぴどく振られちゃった女の子の歌」というさユりの解説とともに披露されたのは、RADWIMPS・野田洋次郎の作詞作曲による最新シングル曲“フラレガイガール”。
「あなただけが知っている大切な記憶、大事な感情に光が灯せるように、願いをこめて歌います」――感情の軋みも揺らぎも鮮烈に体現するさユりのハイトーンボイスが、“フラレガイガール”の儚くも美しい詞世界と真っ向から響きあい、観客の身体と心を震わせていく。

そこから一転、フィードバックノイズから流れ込んだ“アノニマス”では、《ここに宣戦布告の光を灯すよ》と決然とした歌を突き上げてみせるさユり。
「今ここに来てくれたあなたが、どんな世界で生きているのか、私には知ることができないけど……でももし、あなたに行きたい場所があるんだったら、そこに行けるように、そしてそこへ行くための道程が、なるべくでいいので暖かい場所になるように――」という言葉に続けて歌い上げた最後の曲は、彼女のメジャーデビュー曲“ミカヅキ”だった。《それでも　あなたに見つけて欲しくて／蝶のように舞い上がるの》のフレーズが、観る者すべてを鼓舞するように熱く、強く響いた。（高橋智樹）