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MOON STAGE12:30

多幸感溢れるアーバンソウルの祝祭へようこそ

サウンドチェックからMOON STAGEにラフで心地のいい空気を充満させているのは次なるアクト・ceroだ! 定刻を待たずして、再びふらっと高城 晶平(vocal / guitar / flute)、荒内 佑(keyboard / sampler / bass / cho)、橋本 翼(guitar / clarinet / cho)+サポートメンバーがステージに登場すると、大きな歓声があがる。「おはようございます。ceroです」(高城)と短めの挨拶を挟み、一曲目に鳴らされるのは……“Yellow Magus”だ! R&B、ソウル、ヒップホップのエッセンスの要素が随所に盛り込まれ、ホーン隊が彩りを加えるこの曲で気持ちよくならないはずがない。もうすでに鳥肌が止まらない。

「寒うございますね」(高城)という言葉に続けた“Summer Soul”は清涼感のある緩やかなグルーヴと高城の熱を帯びた歌声のコントラストが美しい。初っ端からのアンセム連打に、身体をゆったりと揺らしつつも体内では興奮度が急上昇していくような静かな熱狂がMOON STAGEを包んでいく。そのままループするアフロビートが恍惚感と中毒性を増す“Elephant Ghost”へと流れ込むなど、日本人の解釈でブラックミュージックを描いた傑作アルバム『Obscure Ride』の楽曲を披露していく。キラキラと光るあらゆる感情を散りばめ、音楽的な冒険を止めないceroの音楽に身を浸す、至高の時間だ。

MCでは「改めまして、こんにちは。ceroです。2015年ももう終わりますがいい一年だったでしょうか? 僕はまあまあでした」(高城)というゆるい感じもこの空気に合っていていい。そして、「では、一足先に2016年に行ってきます。明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!」(高城)と飄々と挨拶をし、《1.2.3》の大合唱が沸き起こったラスト“さん!”へ。華やかなソウルファンクが、今日、この時間に、この場所に集ったことを祝福するかのように降り注ぎ、MOON STAGEを埋め尽くすオーディエンスからはハンズクラップが巻き起こる。その光景に、高城からも思わず笑顔が漏れた。祝祭という言葉そのものを表すかのような、多幸感に満ちた30分間だった。(岡崎咲子)

この4日間のすべてを詰め込んだ別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 各アクトのセットリスト、厳選ライヴ写真を掲載した永久保存版の一冊!

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cero

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