2023年3月15日に動画サイトに投稿した“強風オールバック (feat.歌愛ユキ)”が大反響を呼び、現在も再生回数を着々と伸ばし続けているボカロP「ゆこぴ」。同曲の替え歌が日清食品「カップヌードル」のCMで使用され、絶大なインパクトを放ったのも記憶に新しい。7月28日に投稿された“寝起きヤシの木 (feat.歌愛ユキ)”も唯一無二の作風をさらに幅広い層に示すことに繋がった。先日リリースされた『アルバム1号』には代表曲の数々の他、卓越した才能を改めて示す新曲も収録されている。様々なミームを生み、歌詞の一節をアレンジした「○○した瞬間 終わったわ」というフレーズがSNS上で流行するなど、「ゆこぴ」の音楽が驚異的な影響力を発揮した理由とはなんなのか？ 地味な日常生活の中で起こり得るささやかな出来事を切り取り、当事者の胸の内で湧く無数の感情をゆるやかな笑いへと昇華するソングライティングの源にあるものとは？ 「ゆこぴ」の魅力について検証する。（以下、本誌記事に続く）
文＝田中大
（『ROCKIN'ON JAPAN』2024年2月号より抜粋）
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