ポール・マッカートニーのスリリングかつギークな逸話満載の全6話、ドキュメンタリー・シリーズ『マッカートニー 3, 2, 1』、ディズニープラスにて独占配信スタート!

ポール・マッカートニーのスリリングかつギークな逸話満載の全6話、ドキュメンタリー・シリーズ『マッカートニー 3, 2, 1』、ディズニープラスにて独占配信スタート! - rockin'on 2022年2月号 中面rockin'on 2022年2月号 中面

ディズニープラスで配信がスタートした『マッカートニー 3 , 2 ,1』は至ってシンプルなフォーマットだ。登場するのは、二人のレジェンド、音楽プロデューサーのリック・ルービンとサー・ポール・マッカートニーのみ。二人の前にはミキシング・ボードとピアノがあるだけだ。

御年79歳のポールのメモリー・レーンを名曲達と共に遡る対話を軸にした全6話のドキュメンタリー。1話目はポール自身の幼少の思い出や、ジョージ、ジョンとの出会いを含めたビートルズ誕生秘話などが語られているが、その後は特に時系列というわけではない。それは、二人の会話がいかにオーガニックに進んだかを表していて、実は単なる思い出話に留まっていない。

音楽プロデューサーであるリックの職業病とも言うべきか、大のビートルズ・ファンと自称する彼が、ミキシング・ボードを前に繰り出す質問はソングライティングやハーモニーの域を超えて、ギークだからこそのもの。 “エリナー・リグビー”の弦楽セクションから、 “ミッシェル”の「変なF」コード、そして“ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス”のベースラインに至るまで、曲の構成要素を深く掘り下げ、洞察する。

だが、このドキュメンタリーの最大の見所はポール本人が自身の言葉で語っているところだろう。その記憶力の良さもさることながら、メンバーのこと、ジョージ・マーティンのこと、影響されたミュージシャンのことを語る彼は、真摯かつ的確だ。時にジョークを交え、さらには皮肉たっぷりに当時を振り返る。まさに英国人らしくチャーミングと言えよう。

監督を務めたのは、エミー賞受賞のザッカリー・ハインザーリング。全編モノクロで撮影することにより、2人の会話をより親密にそしてタイムレスに感じさせる。ジャンルとしてはドキュメンタリーなのだが、二人の会話を覗いてしまっているような、すごく贅沢な空間をシェアさせてもらっているような感覚に陥るから不思議だ。

「かつてはビートルズの一員だったが、今はビートルズのファンだ」と気負うことなく語るポール。これは聖人伝ではない。等身大の現在のポール・マッカートニーがここにいる。 (近藤麻美)




ポール・マッカートニーの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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