デヴィッド・ボウイ、幻の未発表アルバム『トイ』が20年の時を超えて遂にリリース ―― キャリアの転換点だった当時、rockin'onに語った決定版インタビューを再掲載

デヴィッド・ボウイ、幻の未発表アルバム『トイ』が20年の時を超えて遂にリリース ―― キャリアの転換点だった当時、rockin'onに語った決定版インタビューを再掲載 - rockin'on 2022年2月号 中面rockin'on 2022年2月号 中面

「『バイバ~イ! 君達への置き土産は何もないよ』って。
ヴァージンを離れる時に、この『ヒーザン』と『トイ』を持って出てきたんだ(笑)」


今回ついに正式にリリースされる幻のアルバム、『トイ』。
 
まず、制作されたのは2000年頃で、80年代後期のいわゆる迷走期間からは抜け出ていたとはいえ、ティン・マシーン結成→解散やアルバム『アウトサイド』、『アースリング』、『アワーズ...'』といった、ファンの期待を常に上回ってきたボウイの過去の作品群と比べればなんとももどかしいアルバムが続く時期だった(ツアーは常に素晴らしかったが)。
 
そんな時期を経て、2000年になってボウイは突然、60年代/70年代の自分の曲のセルフ・カバーに新曲を加えたアルバムを制作する。それがこの『トイ』だ。だが、レコード会社がリリースに難色を示して結局お蔵入りとなった。
 
その後、2011年に、お蔵入りになった『トイ』はネットで出回って、ファンはかなりの驚きと喜びでそれを迎えた。なぜなら、アルバムとしてあまりにも出来がよかったからである。60年代/70年代の自らのレア楽曲を高度な演奏と円熟のボーカルでストレートに聴かせるこのアルバムは、ボウイのディスコグラフィの中でも、後期の代表作のひとつに間違いなくカウントされるはずだ。2022年の今でも、何度もリピートして聴ける生命力と普遍性がある。
 
待望の正式リリースのタイミングの今、ボウイに当時のことや現在の音楽シーンについてのインタビューをオファーしたいところだが、もうボウイはいない。このアルバムを制作した翌々年の『ヒーザン』の時に本誌が行なったロング・インタビューで『トイ』にも触れているので、ぜひ読んでいただきたい。(山崎洋一郎)



デヴィッド・ボウイの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

デヴィッド・ボウイ、幻の未発表アルバム『トイ』が20年の時を超えて遂にリリース ―― キャリアの転換点だった当時、rockin'onに語った決定版インタビューを再掲載

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