美しい映像にのってオアシス“ワンダーウォール”が爆音で流れる瞬間の無敵感といったら！　現在26歳でカンヌ映画祭の審査員賞をゴダールとともに受賞した鬼才グザヴィエ・ドランの最新監督作『Mommy／マミー』。これまで以上に多くの心に刺さる映画も素晴らしいが、オアシス、ベック、ラナ・デル・レイといったヒット曲からビバルディまで音楽も最高だ。ロックファンにもぜひ観て欲しい作品。（ちなみに前々作『わたしはロランス』では、80年代ニューウェイヴの徒花、ヴィサージュの“フェイド・トゥ・グレイ”を使った素敵シーンがあり個人的にツボった）。
http://mommy-xdolan.jp/sound.html


ゲイであることをデビュー時からカミングアウトし、性同一障害などといったテーマを美しい映像で描いてきたドラン、そんな彼の「僕たちは時代を変えていける」というカンヌでのスピーチは多くの人に感動を与えた。ロックファンにも読んで欲しいので引用します。
「人々を感動させ、笑わせ、泣かせることで、意識や人生を少しづつ変えていくことができるんです。政治家や科学者だけでなくアーティストも世界を変えられるのです。（中略）僕がこの賞を受賞したことこそが、その証にほかなりません」
CUT5月号（4/19発売）でもドランが語る作『Mommy／マミー』のロングインタビューを掲載しているのでぜひ。
（井上貴子）