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すっかり真っ暗になった初日LAKE STAGEのラストは、観客が振り上げる拳と怒号のような歓声で迎えられたRIZEの登場だ! 「モッシュやダイブなど危険な行為はしないでくださーい」というJESSEの声が暗闇に響いたかと思いきや、“KAMI”のイントロで散弾銃のように激しい音が叩きつけられる。すでにボルテージマックスになっている会場には、“ハエ”“PARADOX体操”というロック爆弾を次々に投下! 骨太なグルーヴと攻撃的なまでな音が絡み合う3ピースと、まだまだ足りないというオーディエンスとの激しい攻防戦はまだまだこれからだ。CM曲にもなっている“ZERO”、KENKENの「俺たちロックンローラー、なめたらあかん」という即興ラップをはさんでの“GET THE MIC”、新曲を披露したあとは、“ピンクスパイダー”でさらなるクライマックスを迎える。その絶頂状態は途切れることなく、ラストの“heiwa”まで続いた。さらに、アンコールで演奏する予定だった“Far Eastern Tribe”“カミナリ”を続けて披露、完全なる躁ロック空間を作り上げてステージを去っていった。百戦錬磨のライヴバンドであるRIZEだが、生き様が剥き出しになる生のステージは毎回刺激に満ちている。世の中への違和感も生きとし生ける者へのストレートな愛情もシニカルな視点も音楽への純粋な衝動も、すべてぶち込んだミクスチャーがオルタナ・ロックとして鳴る様は感動的ですらある。「今音楽ってコピーできるけど、ライブの経験っていうのはコピーできないものだから。エクスペリエンスっていうものは」というJESSEの言葉が深く突き刺さるアクトをみせてくれたRIZEだった。最高だ。(上田智子)