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蔡忠浩(Vo & G)、辻凡人(Dr)、森本夏子(B)、そして鍵盤、2人のホーンも加わった編成でステージに立ったbonobos 。「楽しんでいるかい? 最後までよろしく!」という挨拶が告げられ、1曲目“GOLD”。柔らかなサウンドに包まれ、ゆっくりと身体を動かして踊り始めたお客さんたち。無数の腕が曲に合わせて穏やかに揺らぐ光景は、何とも言えず心あたたまるものだった。ビートに合わせてお客さん達が頭上でクラップ。そして始まったのは“THANK YOU FOR THE MUSIC”。「二回クラップし、パッ!と両手でピースサイン」という動作を繰り返す独特なクラップが心地よい。最高にピースフルな一体感が生み出されていく。軽快な鍵盤とドラムのサウンドに乗りながら登場した4人のダンサーがお客さんたちを盛り上げ、突入した3曲目は“Go Symphony!”。蔡のファルセットを利かせた歌声が清らかに響き渡る。4曲目“Mighty Shine, Mighty Rhythm”は、サンバ的な陽気なリズムがお客さんたちを開放的に踊らせていく。この曲でも軽快な動きでお客さん達をリードしたダンサー陣。鍵盤やホーンのソロプレイも華麗に奏でられ、抜群に盛り上げてくれた。「あけましておめでとう! みんな疲れてないか? あけおめ? 略すなよ(笑)。 bonobosは12月に久しぶりにアルバムを出しました。ものすごくいいアルバムになりました。今年もよろしく! 最後にちょっと長い曲ですが」と蔡が語り、“あなたは太陽”。何処か郷愁を誘うメロディを繰り返し奏でつつ、静と動をダイナミックに行き来する曲であった。10分以上に亘る長尺だが、無数の風景や感情を喚起される楽しさで終始ワクワク! 美しい一篇の物語のような曲であった。演奏を終えてメンバーがステージを去った後も、素敵な余韻が場内にしばらくの間漂っていた。(田中大)