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吉井和哉、5年ぶりのCOUNTDOWN JAPAN出演――キャリアの集大成ともいえる壮大なメッセージ性と普遍性をもったアルバム『The Apples』と、その直後にリリースされたミニ・アルバム『After The Apples』で、その才能をいかんなく爆発させた2011年のフィナーレを、ここEARTH STAGEで迎える! ライヴは、『After The Apples』の収録曲であり、彼にとってきわめて重要な1曲でもある“母いすゞ”でしっとりと幕開け。地を踏みしめるような重たいビートに乗って、全身に絡みつくようなディープな歌声が放たれる。さらに、ハイウェイを爆走するような王道ロック・ナンバー“無音dB”、と、11月16日にリリースされたミニ・アルバムからの楽曲を連打。「ハロー、幕張!」と呼びかける吉井は黒いレザージャケット&黒いパンツという至ってシンプルな格好だが、些細なアクションや視線の動きひとつでオーディエンスを釘づけにしてしまう、圧倒的なオーラを放っている。
「こんな大事な年に出させていただいて嬉しく思っています。短い間ですが楽しんでいってください!」と挨拶した後は、“煩悩コントロール”へ。自らの煩悩と徹底的に向き合うような内省的な歌詞が、除夜の鐘のように胸にズシンと響いてくる。そのまま「来年こそは夢を正夢にしようという曲です!」と“マサユメ”へ突入すれば、未来を力強く切り拓いていくような強靭な音塊を叩きつけていくバンド・メンバー。さらに“ビルマニア”ではソリッドなバンド・アンサンブルを青白くスパークさせて、フロアを力強い拳で満たす。まるで1曲ごとに2012年へと通じる扉を開け放っていくような濃密なライヴ構成。最高だ。

しかし、その勢いはまだまだ終わらない。「昔、東北をイメージして作った曲を一緒に歌おうぜ!」と間髪入れずに放たれたのは、なんとイエモン時代の名曲“BURN”!!  凍てついた北の大地を燃え上がらせるような壮絶なサウンドは、大きな哀しみに包まれた2011年を癒すような温かさと優しさに満ちていて、思わず涙腺が緩んでしまった。地鳴りのような歓声と拍手を送ったオーディエンスひとりひとりの心にも、それは確実に届いていたと思う。さらに「今年はいろんなことがありました。来年もいろんなことがあると思うけど、何があってもいつか綺麗に咲いてやろうという歌を歌います」と放たれた“FLOWER”で、《さあ花のように さあ揺るぎなく 短いが美しい時を繋ごう》という力強い歌が放たれる。そして「明るい未来へのカウントダウンです!」とラスト・チューン“FINAL COUNTDOWN”発射! きらびやかなロックンロールでEARTH STAGEを大きく揺らし、2012年へ向けた壮大なプロローグを華やかに締めくくった。最後はTRICERATOPS・吉田佳史(Dr)、三浦淳悟(B)、鶴谷崇(Key)、Nothing’s Carved In Stone・生形真一(G)、バーニーこと日下部正則(G)のバンド・メンバーを紹介し、「そしてヴォーカルの斉藤和義です!」と2011年最後のオヤジギャグ(?)を一発。これで2012年の臨戦態勢は整った。(齋藤美穂)