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「みなさん、ロックンロールは好きですか! 老いも若きも、四の五の言わずに、ロックンロールだけを楽しんでいってください!」という前説お兄さんの口上とともに、ロックンロールを極限まで削ぎ落とし鍛えまくって極限進化させ続ける4人組=ザ・クロマニヨンズがオンステージ! 「ロッケンロール!」というヒロトの声とともに、“オートバイと皮ジャンパーとカレー”のソリッドなエイトビートがフロアを揺さぶる! でっかい空間を切り裂いて飛ぶ“伝書鳩”のマーシーのギター! 「日本代表、ザ・クロマニヨンズです!」のヒロトのコールに広がる高らかな歓声! 途中、何度かマーシーのアンプからノイズが生じていたアクシデントも、「今、宇宙人が観に来たみたい! ちゃんと金払えよ!……今、宇宙人は追い返したから。地球人のみんなで楽しもうじゃないか!」というMCやブルース・ハープの鮮やかなソロ・プレイでもって祝祭ステージの一部に変えてみせるヒロト。“あったかい”“底なしブルー”まで最新アルバム『Oi! Um bobo』の楽曲で突き進んだクロマニヨンズ。「A面の1曲目から4曲目まで強引にやらせてもらいました! 初めて聴いた人も楽しんでくれた気が……(笑)。お言葉に甘えまして、もう1曲やります!」というヒロトの言葉から、全員一丸コーラスが晴れやかに響き渡る“ボンジュール ロマンマン”でメッセの空気にさらに熱気を流し込んでいく。“グリセリン・クイーン”のタフなビートと熱く響き合うエモーショナルなメロディ。小林勝&桐田勝治の爆裂リズム隊が繰り出す軽やかなモータウン・ビートを乗りこなしながら、ロックンロールの核心へと突っ走っていく“スピードとナイフ”。衝動のリミッターをぶっ壊してひたすら前へ、先へと驀進する極限8ビート・パンク“ひらきっぱなし”。そして、クロマニヨンズの存在証明とも言える“エイトビート”! 何度も胸を叩き、拳を突き上げながら《ただ生きる 生きてやる 呼吸を止めてなるものか》と絶唱するヒロトの姿は、まさに虚飾なきパンクとロックンロールそのものだった。ロックやパンクの意味性や文学性を剥ぎ取り、どこまで衝動に忠実な表現としてロックンロールを磨き上げられるか?というクロマニヨンズのトライアルが、最高の形で結実したステージだった。“ギリギリガガンガン”最後にひときわ力強く響き渡った「今日は最高の気分だー!」の絶唱も、初期からのアンセム“紙飛行機”“タリホー”の圧巻のタフネスも、2010年日本ロックの決定的瞬間と呼びたいくらいの輝きに満ちていた。「また会おう! またやろう! ロッケンロール!」とヒロト。「またね」とマーシー。最高!(高橋智樹)