CDJ１日目も後半戦に差し掛かる頃、MOON STAGEに肩肘張らないゆるーい調子で現れたのはYO-KING。すぐさま披露された１曲目の“バランス”の心地良いアンサンブルが、MOON STAGEに集まったオーディエンスの心を解きほぐしたところでメンバー紹介。今日のバンドメンバーはいつものインディアンズではなく、今年リリースされた３年半ぶりの最新作 『楽しい人は世界を救う』を一緒に制作した、NONA REEVESの小松シゲル（Dr）、ソウル・フラワー・ユニオンの奥野真哉（Key）、超売れっ子セッション・ミュージシャンである沖山優司（B）という面々。全員が全員、凄腕のミュージシャンである。そして「ゆっくり楽しんでいってください」と、“泣かないけどね”のルーズなグルーヴで大人のロックの底力を見せつけた後、奥野の美しいキーボードの旋律が暗くなった会場に映える“星の海”をプレイ。ステージに降り注ぐ柔らかな光を受けながら、一言一言を慈しむかのように、そして大切な人を思いながら歌うかのように優しく、そして時には激しく、等身大の感情がこもった言葉を紡いでいく。だからこそ、YO-KINGのロックには嘘がなく、感動的だ。そしてそんな感動的なムードをそのままに、壮大なバラード“世界の元”へ。《そのままで幸せになっていいんだ》という、ありのままの自分を肯定することを許してくれるかのような彼の前向きな言葉が、MOON STAGEに集まったオーディエンスの心を暖かい気持ちで満たしていく。そして最後は「そういうわけで、ありがとうございました。今年も！」というMCからの“Hey！みんな元気かい？”。《Hey！　幕張元気かい？》というYO-KINGの問いかけにオーディエンスは笑顔になって拳を上げて応えている。そして「来年もたくさん笑って過ごしましょう!!」というメッセージを残し、これまた余裕の足取りでステージを去っていった。（前島耕）