トム・ヨーク、法人や超富裕層の便宜ばかりを図る政府は誰のためのものかと問いかける

トム・ヨーク、法人や超富裕層の便宜ばかりを図る政府は誰のためのものかと問いかける

レディオヘッドのトム・ヨークは自身が関わったドキュメンタリー映画に関連して、イギリス政府の税への態度について偽善的だと語っている。

『The UK Gold』というこのドキュメンタリーはイギリスの大企業がイギリス領のケイマン諸島やロンドンの金融特区のシティといった地域で税を免除されていることなどを追った内容になっていて、トムをはじめマッシヴ・アタックのロバート・デル・ナジャ、エルボーのガイ・ガーヴィーが音楽を提供している。トムはNMEに今回の映画のテーマについて次のように語っているという。

「金融業界の基準について政府がいろいろ指し示していることを踏まえて、その水面下で行われている現実を見ると、愕然とするような偽善に満ちていることはさして驚きに値することじゃないんだよ」

「グローバルなスーパー富裕層のために政府やシティがいわゆるイギリスのタックス・ヘイヴンでお金を消滅させてきたことなど、これまで隠し部屋の中で行われてきたことを今こそ白日の下にさらすべきタイミングなんだよ。その一方で政府は、ぼくたち一般の国民に税を払わなければならないと振りかざし、そのために窮乏に耐えることさえ強要してくるわけだからね。ぼくたちの政府は一体誰のために働いてるんだっていう話なんだよ」

トムは2003年にもグローバリズムと大企業の問題についてザ・ガーディアン紙に寄せたエッセーで次のように指摘していた。

「こうしたグローバリゼーションによってますます明らかになってくるのは、得をしているのはぼくたちの政府をいいように使って自由貿易というケーキをむさぼっている多国籍企業だけだということなのです」

「貧しい国は、自由貿易とはこういうものなのだと、自分たちはこれによって成功したのであって、偉大な資本主義システムはこのようにして築かれていったのだと一方的に(自由貿易を)押し付けられているのです。今では世界銀行でさえ、ある国の経済というのはごく最初の段階では成長するために(自由貿易ではなく関税などによって)保護されなければならないと認めているくらいなのです。実際、イギリスもアメリカもアジアも、初期にはそうしていたのです。富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちるというお題目をひたすら呪文のように唱えるトリクルダウン理論の支持者の様子にはもうただ笑ってしまうとしか言いようがない」

『The UK Gold』はロンドンのテレビ局、ロンドン・ライヴで2月25日に放映される予定になっている。

『The UK Gold』の予告編はこちらから。

The UK Gold - Trailer from Brass Moustache Films on Vimeo.

公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする