2010年の再結成以来、ベスト盤のリリース、全オリジナル・アルバムの再発と最新作『ブラッドスポーツ』の傍らで着実に過去の再評価・再定義が進んできたスウェードだが、ようやく！ついに！この傑作Bサイド集も再発されることになった。

本作は自他ともに認めるスウェードの最高傑作たる初期3作品（『スウェード』、『ドッグ・マン・スター』、『カミング・アップ』）のシングルBサイドをコンパイルした2枚組。つまり、オアシスの初期2作品のBサイドをまとめた『ザ・マスタープラン』とほぼ同じ意味合いを持つ作品集だと思っていただければいい。そしてオアシス同様に、この時期のスウェードのBサイド曲も、単なるアルバムから漏れた二軍曲なんかではない。むしろスウェードがもっともスウェードらしかった時代の空気がどこよりも濃密に漂う、スウェードならではの表通りに匹敵する「裏道」なのだ。昨年の来日でも日替わりで演奏され、コア・ファンを狂喜させた懐かしのナンバーは全て本作収録曲であり、ブレット個人のフェイヴァリットも多数収録されている。特に初期2枚のBサイドがぎゅっと凝縮されたDISC1が神。（粉川しの）