【祝20周年】ASIAN KUNG-FU GENERATION、全ALレヴュー大公開! 本日は『ファンクラブ』

今年、めでたく結成20周年を迎えたASIAN KUNG-FU GENERATION。RO69ではそれを記念して、『崩壊アンプリファー』から『Wonder Future』まで全オリジナルアルバムを振り返るレヴュー特集を行います。毎日1作品ずつアップしていきます。本日の作品は2006年発表『ファンクラブ』です!

【祝20周年】ASIAN KUNG-FU GENERATION、全ALレヴュー大公開! 本日は『ファンクラブ』

リリースからちょうど10年を迎え、またその後のアジカンの歩みが本作の意味と価値を裏付けながら進んできたように思えるほど、ディスコグラフィーの中での重要性を増してきたアルバム。よく言われるのは、「シリアスで重い」ということで、確かにその通りである。時代に押しやられた内気なマインドから情熱を絞り出し、若い世代に強く呼びかけるように支持基盤を築いてきたアジカンは、前作『ソルファ』で数字の上でも目覚ましい結果を残して名実ともに当時の新世代を代表するバンドになった。しかしそれに甘んじることなく、『ファンクラブ』ではさらなる閉塞感や喪失感と正面から向き合い、活動の舵取りに強靭な意志を感じさせる一枚となったわけだ。

“暗号のワルツ”や“バタフライ”(個人的には本作で一番好きな曲かも)など、リズムが複雑な構成で届けられる楽曲が目立ち、それは入り組んだマインドを抱えて進むバンドの推進力を伝えている。“センスレス”は、混迷の時代をロックでしかないサウンドと歌の力で切り開こうとする名曲であり、今日に至るまでライヴの重要な一場面を担っている。そして重厚な一枚を締めくくる“月光”〜“タイトロープ”の美しく優しいクライマックス。シリアスなロックバンドとしての役割を明確に打ち出したアルバムだし、本作によってリスナーとの間の信頼感や絆は一層深まったはずだ。言うまでもないが、だからこそ本作のタイトルは『ファンクラブ』なのである。(小池宏和)

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なお、過去に掲載されたディスクレヴューは以下の通り。

『崩壊アンプリファー』:http://ro69.jp/blog/ro69plus/141978
『君繋ファイブエム』:http://ro69.jp/blog/ro69plus/142050
『ソルファ』:http://ro69.jp/blog/ro69plus/142051
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