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ROCK IN JAPAN FES. 2012もいよいよ最終日。全5ステージの中で最初に演奏が始まったのは、ここWING TENT。昨日のNoise and milkに続いて、ロッキング・オンの音楽サイト「RO69」が行っているアマチュア・コンテスト「RO69JACK 2012」の優勝バンド、さよなら、また今度ねが登場。バンド名からして独自の世界観を感じさせる彼らだが、いきなり菅原(Vo&G&Key)が真冬用のファーのついたコートを着て、登場。そして、被り物を被った渋谷(Dr)の耳を掃除機で吸うというパフォーマンスをする。個性的と言うには、あまり自由過ぎる破天荒な展開。そして、コートを脱ぎ捨て、菅原が一言、「今日は嬉しくなって、ドラゴンボールのTシャツを着てきました」。この時点で客席からは喝采。「バラードをやります」と言って、超高速チューン“瑠璃色、息白く”を披露。そんな彼らにあっけにとられている間に終わってしまう。
「ロッキン、楽しんでますか? 楽しみましょう。えー、次は“踏切チック”という曲なんですけど、うーん、レシート……あ、あの娘と一緒にレシートの裏に絵を書きたいというか、そういう無理な注文をする曲です」という、しっちゃかめっちゃかのMCのまま、曲に突入。演奏もしっちゃかめっちゃかで、至る所でミスをしているが、この過剰な内面の塊のような曲が持つポップネスは、そんなことを問題とせずにダイレクトに伝わってくる。
菅原、再び喋り始める。「この左側にいっぱい人いるじゃないですか。来てほしいんだけど、どうしたら来てくれるんだろう? 次が最後の曲なのに……来てー」。いきなり菅原が叫び出す。客席から漏れる笑い。そうして演奏されたのは“僕あたしあなた君”。中盤で“踏切チック”以上に、菅原が多くの言葉をまくしたてる曲だが、その根底にあるのは、非常に普遍的なグッド・メロディーだったりする。「このまま帰っていいのかな?」と戸惑いながら、ステージを降りていく菅原。恐るべし、さよなら、また今度ね。(古川琢也)