2015年4月1日に東京・代々木公園イベント広場 / 野外ステージにてフリーライヴ「SMA 40th ファイナル『みんなとうた』」が開催された。

これは、昨年4月に日本武道館で開催された「SMA AWARDS 2014～輝く! 日本エスエムエー大賞～」を皮切りにソニー・ミュージックアーティスツ（SMA）が行ってきた設立40周年記念イベントの締め括りとして開催されたイベントで、奥田民生、チャットモンチー、木村カエラなどが出演した。RO69では当日の写真と共にライヴレポートとして紹介する。

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2014年に設立40周年を迎えたSMA（ソニー・ミュージックアーティスツ）は、昨年春の豪華絢爛な武道館イベント「SMA AWARDS 2014 〜輝く！日本エスエムエー大賞〜」をはじめとして、ユニークなアニヴァーサリー企画を数多く繰り広げて来た。今回はアニヴァーサリーイヤーのファイナルということで、まさに「エイプリル・フール」という嘘みたいに太っ腹なフリーライヴイベント。場所は、桜の花舞い散る東京・代々木公園である。フェス会場というよりも花見の宴席のような、のんびりと楽しい春の１日になった。

本稿では、クライマックスのメドレーライヴを中心にレポートするけれども、先頃25周年ベストの武道館ライヴを大成功させた東京スカパラダイスオーケストラが午前中からオープニングアクトとして登場し、その後もアイドルネッサンスや「ネクスト・ジェネレーションズ」と銘打たれた住岡梨奈、サンドクロック、片平里菜、nicotenら若手アクトのステージ、チャラン・ポ・ランタンが仕切るのど自慢、OKAMOTO'S×黒猫チェルシーによる名曲カヴァー連発のセッションなど、POPステージでは「みんなとうた」というイベントタイトルにも頷けるパフォーマンスが繰り広げられる。

また、特設のJAMステージでは、コウメ太夫、バイきんぐ、響、AMEMIYA、オテンキといったSMAタレントによるライヴやトークショーが繰り広げられ、 フードブースには全国各地のロックフェスが出店するご当地フェス飯がズラリ。SMAアーティスト／タレントのコラボフードも奥田民生とYO-KINGのラーメン店には行列が絶えず、「BISTRO SMA」や「飲み屋マキ」のメニューは見ているだけでも楽しい。一般の試奏も可能な楽器メーカーのブースでは、OTが登場してトークを繰り広げるところに綾小路 翔（氣志團）やオカモトコウキ（OKAMOTO’S）らも飛び入り。ギターをプレゼントされ驚喜する一幕もあった。

さて時刻は18時。POPステージでは、堂島孝平率いる「堂島孝平とSMAネクストジェネレーションズ(仮)改め二代目ザ・キラーストリート・スライダーズ(仮)」の演奏に次々とシンガー達が登場する怒濤のメドレーライヴがスタートだ。ちなみに、昨年の「〜輝く！日本エスエムエー大賞〜」で活躍したハウスバンドが、「桜井秀俊とザ・キラーストリート・スライダーズ（仮）」。今回のメンバーは初っ端“き、ぜ、つ、し、ちゃ、う”を熱唱するバンマス＝堂島孝平、ギターに澤竜次（黒猫チェルシー）と沙田瑞紀（ねごと）、ベースに岡部晴彦、ドラムスに鈴木貴雄（UNISON SQUARE GARDEN）、キーボードには金澤ダイスケ（フジファブリック）と、初代に引き続き登場の渡辺シュンスケ a.k.a. Schroeder-Headz。コーラス＆アコーディオンにチャラン・ポ・ランタンのもも＆小春、そしてノリノリの司会を務める茂木淳一、という顔ぶれである。

コズミックなシンセ・フレーズと茂木の名調子に導かれ、大歓声の中“アジアの純真”を歌うのはもちろんPUFFY。直後にオカモトショウ（OKAMOTO’S）が威勢良く飛び出して「SMA！」「オメデトー!!」とコール＆レスポンスを巻き起こしながら“HAPPY BIRTHDAY”を投下する。渡辺大知（黒猫チェルシー）の歌には相棒・澤のギターが熱く絡み付き、アコギを抱えた片平里菜は一転、優しい春風に乗せるような“女の子は泣かない”を披露する。小さな体躯から公園の敷地いっぱいに広がるような張りのある歌声を繰り出すのはトミタ栞。その直後、エキゾチックな歌謡メロが響き渡って爆笑を誘いながら“異邦人”を歌うのは何とミッツ・マングローブである。いやしかし、ドレスを纏った麗しいルックス、そして夜の街で鍛えられたヴィブラートが素晴らしい。

一方、男臭いテナーヴォーカルを響かせるのは上中丈弥（THE イナズマ戦隊）だ。住岡梨奈は自身のギターでバンドを牽引するように“flavor”を届け、蒼山幸子が歌う“カロン”ではねごとの高度なアンサンブルが二代目ザ・キラーストリート・スライダーズ（仮）によって見事再現される。茂木が「本人が、真ん中で出たいって言ったんだってー！」と紹介するのは、SMA名誉顧問＝奥田民生。貰ったばかりのギターでグイグイとトレモロを効かせる“イージュー★ライダー”炸裂だ。空手ガールこと武田梨奈は、夢見心地なサウンドに浮かぶウィスパリングヴォーカルとは裏腹に、肘鉄の瓦試し割りも披露してオーディエンスの度肝を抜く。

完全に身体の温まっているチャランポがここで賑々しく“ムスタファ”を届けると、ミッツが黒ラメのドレスにお色直しして再登場。メドレーの中で素早く引っ込んだかと思えば“初恋”で連続登場して「ミッツー!!」の間の手を浴びるという、演出がもはや卑怯だ。チャットモンチーは橋本絵莉子＆福岡晃子揃っての登場で、4カウント＆あのイントロベースから“シャングリラ”を披露。木村カエラは、特別編成バンドを強烈な磁場で引き寄せるような歌声と、完璧なタイミングで舞う桜吹雪がちょっと奇跡的なぐらい美しかった。

小出祐介（Base Ball Bear）と斎藤宏介（UNISON SQUARE GARDEN）がメドレー終盤のロックなダンス性を加速させると、サンボマスターの山口隆＆近藤洋一は「踊ってんのかコノヤロー！」「（チャランポ・もものコーラスに）かわいいー!!」と2人のハンド・マイクというレアな一幕も虚しく叫んでばかりいる。「ウチの事務所の山口が、まったく歌わなくてすみません！」と謝罪するのは真心ブラザーズ・桜井秀俊で、SMA現顧問・YO-KINGを呼び込むと“ENDLESS SUMMR NUDE”を華やかに披露するのだった。

名だたるポップスターたちが、それぞれ短めの尺で歌いまくるという贅沢なスピード感に目眩を起こしそうになりつつ、そのメドレーを締め括るのは綾小路 翔＆早乙女 光を迎えての氣志團“ONE NIGHT CARNIVAL”だ。「とにかくもう、SMA愛してる！」と台詞を入れ、チャランポの2人も振り付きで踊るという仕込みも最高。終盤のブレイク部でオーディエンスに歌声を預け、「今日、めざまし（テレビ）さんも入ってるから！　ここ使われるから！」と懸命に歌詞をガイドし、出演者が全員集合して「これからも、弊社SMAをよろしくお願いしまーす!!」と大団円を迎えるのだった。40周年企画のファイナルは、今後のシーンを担うアーティストたちの手に委ねられた、未来の40年を語り出そうとする素晴らしい1日であった。

なお、この日の模様は、フジテレビNEXTにて、5/22（金）21時よりオンエアされる予定。こちらもぜひお楽しみに。（小池宏和）

「堂島孝平とSMAネクストジェネレーションズ（仮）改め二代目ザ・キラーストリート・スライダーズ（仮）」
セットリスト

01. き、ぜ、つ、し、ちゃ、う　（堂島孝平）
02. アジアの純真　（PUFFY）
03. HAPPY BIRTHDAY　（オカモトショウ）
04. ベリーゲリーギャング　（渡辺大知）
05. 女の子は泣かない　（片平里菜）
06. だめだめだ　（トミタ栞）
07. 異邦人　（ミッツ・マングローブ）
08. 応援歌　（上中丈弥）
09. flavor　（住岡梨奈）
10. カロン　（蒼山幸子）
11. イージュー★ライダー　（奥田民生）
12. 1ポイントに愛がある　（武田梨奈）
13. ムスタファ　（チャラン・ポ・ランタン）
14. かもめが翔んだ日　（ミッツ・マングローブ）
15. 初恋　（ミッツ・マングローブ）
16. シャングリラ　（チャットモンチー）
17. リルラ リルハ　（木村カエラ）
18. ドラマチック　（小出祐介）
19. オリオンをなぞる　（斎藤宏介）
20. 世界を変えさせておくれよ　（山口隆・近藤洋一）
21. ENDLESS SUMMER NUDE　（真心ブラザーズ）
22.ONE NIGHT CARNIVAL　（綾小路 翔・早乙女 光）
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