モリッシー、メジャー契約後の心境、肉食、体調、スミス再結成について語る

モリッシー、メジャー契約後の心境、肉食、体調、スミス再結成について語る

昨年は潰瘍性出血と両肺性肺炎、あるいは資金不足でツアーがことごとく中止に追い込まれたモリッシーだが、昨年末の自伝『The Autobiography』の大成功を機に、上昇気流を捕まえたようで、今年に入ってからはかつてピンク・フロイドなどを抱えるプログレ・レーベルとして知られていた名門ハーヴェスト・レコードと契約が成立したことも明らかになっている。ようやく新作にも恵まれそうで現在フランスでレコーディング中だというが、最近の心境を『ビルボード』誌に語っている。

メジャー・レーベルにこだわり続けて、遂に5年越しで実現させたハーヴェスト・レコードとの契約成立については次のようにその経緯を説明している。

「(親会社の)キャピトル・レコードのスティーヴ・バーネットが契約を引っ提げてきて、『じゃあ、これで行こうよ』と声をかけてきたから、そうすることにしたんだ。要点をずばり言ってもらえると、いつもなんだって建設的に動くものなんだよね」

また、制作が続いている新作の内容に昨年までのトラブル続きだった状態が反映されそうかという問いには「いいことも悪いことも記録されるべきなんだよ。人生というのは真剣な営みなんだから、そうでないふりをするのもどうかと思うよ。むしろぼくは今のポップ・アーティストが『s』『e』『x』についてしか歌えないことに驚きの念を隠せないよ。さも地球ではそれ以外のことはどうでもいいとでも言わんばかりに」と語っている。

昨年心配された自身の健康状態については次のように説明している
「とりあえず3月の復活祭までは生きているはずなんだけどね、去年はまさに厄年だったね。あまりにしょっちゅう入院していたものだから、お医者さんたちの方もぼくに辟易していたみたいだし、それに病院のベッドに横たえて、病院食から逃れたくて回復しようとすることほど老いを促すものはないんだよ。病気に殺されないのであれば、病院食がそれをまっとうしてくれるんだよ。病院食とはそのために存在しているものなんだから。とにかく、溜まってたものが全部出たということだよね。いつああいうことになってもおかしくなかったはずなんだよ」

なお、5月からのアメリカ・ツアーのニューヨークとロス公演でモリッシーの前座を務めるクリフ・リチャードは会場で菜食に応じるつもりはないと先頃語っているが、モリッシーは今度のツアーでも会場側に菜食オンリーを求めていくつもりだと次のように宣言している。
「今じゃ会場をブッキングしていく際の普通の条件になりつつあるんだけどな。みんなが思っているほど変わったことじゃなくなってきているし、会場側も割と理解があるんだよ。肉食とは動物の殺戮であって、地球にとっても殺戮行為であって、結果的には消費者に対しても殺戮行為としてはね返ってくるものだと最近では一般的に受け入れられているように思うよ。いずれチーズバーガーを食べることは教会で喫煙することくらいにご法度になるだろうし、それが実現した日は文明にとって偉大な日になるだろうね」

なお、スミスの再結成を望む人たちのように自身が再結成を望むグループやアーティストはいないのかという問いには次のように答えている。
「スミスの再結成を望んでいる人なんてぼくはひとりも知らないけどな! それとまた観たいと思うバンドもぼくにはいないし、それは自分の思い出こそが、そういうアーティストが最も充実していたか、絶頂を迎えていたか、必死だった頃を体現しているからで、そういう人たちに向ける自分の視線は、もはや実際の当人とは違った姿を求めてしまっているからなんだよ」
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