ポール・マッカートニーとデイヴ・グロールら、グラミー最優秀ロック・ソング賞を語る

ポール・マッカートニーとデイヴ・グロールら、グラミー最優秀ロック・ソング賞を語る - (c)2013 Mary McCartney(c)2013 Mary McCartney

先週末開催されたグラミー賞授賞式で最優秀ロック・ソング賞に輝いたポール・マッカートニーとデイヴ・グロールらは受賞後の記者会見で楽曲制作の経緯について語っている。

ポールはデイヴが製作したロサンジェルスのサウンド・シティ・スタジオのドキュメンタリー映画用のサントラ『サウンド・シティ-リアル・トゥ・リール』の制作に参加し、デイヴのほか、クリス・ノヴォゼリックとパット・スメアという元ニルヴァーナのメンバーらとのレコーディングに臨んだが、この際、今回の受賞曲となった"Cut Me Some Slack"を仕上げることになった。

声をかけたのはデイヴで、ポールにロサンジェルスに寄った際には一緒にリトル・リチャードの"Long Tall Sally"を一緒にレコーディングしようと提案しつつ、クリスとパットにも声をかけていたという。しかし、カヴァーよりも新曲をやってみようと提案したのはポールだったとデイヴは記者会見で明らかにしている。

「ポールの方がこう言ったんだよ、『だめ、だめ、だめ、やっぱりさ、曲を書こうよ。持ち合わせの3時間の間で曲を書いてレコーディングしてみようよ』ってね。その通りに俺たちはやって、その曲がたった今最優秀ロック・ソングになったんだよ!」とデイヴはレコーディングの経緯を振り返ってみせた。

レコーディングはデイヴの606スタジオで行われ、プロデューサーにはブッチ・ヴィグがあたったという。ポールはヘフナー・ベースも持参してきていたが、ジョニー・デップに貰ったという四角い形状のシガーボックス・ギターも持ってきていて、実際にはギターとしてレコーディングに臨むことになった。「みんなにどっちを弾いたらいいのかなって声をかけたら、デイヴは変顔して返答してたね」とポールはこのセッションのことを振り返っている。その一方でクリスは「俺はアコーディオンを弾きたかったんだけど、全員に『だめーっ』ってダメ出しされちゃったんだよ」と明かしている。さらにポールは次のように語っている。

「みんなと一緒に演奏できたというのは僕には不思議な体験だったよ。デイヴが誰かってことは会ったこともあるからよく知ってて、デイヴは『友達も呼んでおくから』ってあらかじめ教えてくれてはいたんだ。それでセッションに臨んでみたら、みんなは『すげえな、俺たちニルヴァーナ以来だよな、一緒にやるの』って話し合ってて、実はニルヴァーナ再結成のど真ん中にいたことに気付かされたんだよ」

その一方でデイヴはポールとザ・ビートルズの影響について次のように語っている。
「永遠に輝きを失わないものなんてそうそうないけど、ポールとバンドがやってきたことは永遠に輝きを失わないと心から俺は思うよ。俺たち世代にもたらした影響と同じような影響を俺たちの子供たちの世代のキッズにも与え続けてるんだからね。キッズが音楽はすべて前にあったものから生まれていて、とっても大切な系譜というものがあると理解することはすごく重要なことなんだよ」

今後もコラボレーションはありうるのかという問いにポールは次のように答えている。
「この先何が起きるかなんてわからないことだからね。みんなは一緒に演奏するには最高の連中だし。みんなはカート(・コバーン)と一緒にやってすごいバンドになったわけだからね。今回、僕が経験したのはそういうことだったんだよ、最高にいいバンドと演奏したというだけのことで、だけど、これはすごく特別なことなんだ。それは僕にはよくわかることなんだよ」
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