ブライアン・イーノ、映像と音による病院のための環境音楽作品を提供

ブライアン・イーノ、映像と音による病院のための環境音楽作品を提供

コールドプレイやU2、トーキング・ヘッズのプロデューサーとして知られ、自身の活動としては環境音楽というジャンルを切り開いたことでも知られるブライアン・イーノだが、病院患者のためのアンビエント作品を制作したことが明らかになっている。

作品はイギリスのサセックス州にあるモンテフィオール病院のために制作した「healing environments」となる2作品だが、光と映像によるインスタレーションとブライアンのジェネレイティヴ・ミュージックを駆使したものになっていると『ジ・インディペンデント』紙が伝えている。

ジェネレイティヴ・ミュージックとは、ブライアンがインスタレーション作品によく使うアプローチで、プログラミングによって次々と新しい調べを奏でていくもので、延々と曲が奏でられていくが決して反復にはならないというもので、ブライアンが最も強味としているインスタレーション・ミュージックのひとつ。これに映像ヴィジュアルを加えたのが今回の病院向けの癒し作品となっていて、"77 Million Paintings for Montefiore"という作品は病院受付スペース向けに制作されたものになっていて、さらにひとりで考え事をしたりリラックスしたいという人向けには別室でかけられる"Quiet Room for Montefiore"という作品が用意されている。

なお、今回のプロジェクトについて、ブライアンは近代看護の祖とされているフローレンス・ナイチンゲールの「患者の観賞用に提示されるものがさまざまな形や鮮やかな色彩を帯びている場合、力強い影響力を持ち、治癒への具体的な手段ともなる」という考察にインスピレーションを受けたという。

病院側は次のように今回のブライアンのプロジェクトに発表している。

「治療環境というのは適正な手術の執行や正しい技術の援用ということだけではなく、患者が自分のとるべき選択についてリラックスして判断し、自分から治癒のプロセスにしっかり加わっていける環境を作り出すことを意味しています」

また、今回のプロジェクトを通して、病院専門の設計事務所4社がすでにブライアンの作品について強い関心を示していると病院側は明らかにしている。
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする