チープ・トリック、遂に20枚目の新作リリース。リックが、ロビンが、パワフルに吠える! 70年代黄金期を取り戻したリアル化け物バンドの「現役感」に陶酔せよ

チープ・トリック、遂に20枚目の新作リリース。リックが、ロビンが、パワフルに吠える! 70年代黄金期を取り戻したリアル化け物バンドの「現役感」に陶酔せよ - 『rockin'on』2021年5月号より『rockin'on』2021年5月号より

通算20枚目(!)のオリジナル・アルバム『In Another World』を4月9日にリリースしたチープ・トリック。これがまるで黄金期の70年代後半から地続きのように快調に聴かせるのだからリアル化け物バンドだ。すでに1月に“Light Up The Fire”、3月に“Boys & Girls & Rock N Roll”を先行リリースしファンを充分に温めているところにテンション高いアルバムとくるから暗いニュースが続くこの時期、気持ちが盛り上がる。

ロビン・ザンダー(Vo/G)、リック・ニールセン(G)、トム・ピーターソン(B)、そしてDrはリックの息子、ダックス・ニールセンが務めているものの、これだけのオリジナル・メンバーが揃い、コロナ禍なんてことがなければ毎年150回ものステージをバリバリとこなしていたが、新作ではライブをできないフラストレーションをぶち込んだかのようなチープ・トリック流パワー・ポップの極致もあれば、シカゴ・ブルースのタッチがあったりとバラエティに富んでいる。

先行の2曲、タイトなハード・ロック・モードが新鮮な“Light Up The Fire”、“Boys & Girls & Rock N Roll”はいずれもチープ・トリックならではのアッパー感だし、サザン・ロック・バンド、ウェット・ウィリーのジミー・ホールのハーモニカも加わったヘヴィな“Final Days”があったかと思えば、超激しい“Another World”やロビンの変わることない声で歌い上げる美しい“So It Goes”や“I’ll See You Again”などもあるところがこのグループならでは。

アルバム最後には19年のレコード・ストア・デイに限定1500枚の7"で出されたジョン・レノンの“ギミ・サム・トゥルース”のカバーが収録されているが、ゲスト参加の元セックス・ピストルズ、スティーヴ・ジョーンズが相変わらずエッジの切り立ったギター・プレイでアクセントを付けてアルバムを締めくくる。これほど現役感たっぷりのアルバムをリリースするのだから、本当に奇跡のバンドと言えるし、<ロックは死んじゃいないぜ!>とリックの声が聞こえる。 (大鷹俊一)



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チープ・トリック、遂に20枚目の新作リリース。リックが、ロビンが、パワフルに吠える! 70年代黄金期を取り戻したリアル化け物バンドの「現役感」に陶酔せよ - 『rockin'on』2021年5月号『rockin'on』2021年5月号
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