【ライブレポ】アルバム未収録曲も大盤振る舞い、AL(小山田×長澤×藤原×後藤)ツアーファイナルのすべて

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小山田壮平(Vo・G)×長澤知之(Vo・G)×藤原寛(B・Cho)×後藤大樹(Dr・Cho)=ALが、5月6日に赤坂BLITZで全国ツアー「AL 1st Tour 2016」の最終公演を開催した。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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小山田壮平(Vo・G)×長澤知之(Vo・G)×藤原寛(B・Cho)×後藤大樹(Dr・Cho)=AL、1stアルバム『心の中の色紙』を携えて名古屋・福岡・大阪を巡ってきたワンマンツアー「AL 1st Tour 2016」のファイナル:東京・赤坂BLITZ。この時代を生きる人間のリアルな体温がデフォルメも誇張もなく、至上の楽曲とともにロックンロールのシンフォニーへ高まっていく――そんなマジカルな時間が、この日のフロアには確かに流れていた。

小山田がアコギ、長澤がエレキギターを構え、アルバムの表題曲“心の中の色紙”からライブはスタート。小山田&長澤が歌い上げる晴れやかなメロディが、ブルースロック調のアレンジに驚くほどの透明度と彩度を与えながら、BLITZの空間を満たしていく。曲によってエレキ/アコギを使い分けながら、時に主旋律を交互に歌い、時に極上のハーモニーを響かせるふたりのシンガーソングライター=小山田&長澤の存在感はもちろんのこと、シュアなベースプレイでバンドアンサンブルに力強いうねりを与えていく藤原、フレーズの緻密さ&しなやかさと日本人離れしたストロークのパワーを併せ持った後藤のドラミングも、ALという名の音の魔法の重要な要素であることがよくわかる。

“風のない明日”でエモーショナルに燃え盛る長澤の高音シャウトと競い合うように激しく叫び上げる小山田。小山田&長澤の地元・福岡の風景が歌い込まれたパンキッシュな衝動炸裂ナンバー=“Mt. ABURA BLUES”で、4人一丸となって描き出す蒼き開放感……そんな彼らの演奏はまさに、「音楽は音楽のままで美しい」という命題を自ら証明するかのような、伸びやかなヴァイブに満ちている。ブルース/フォーク/ロックンロール/カントリーなどさまざまな表情を見せるALの音楽世界が、曲によっては藤原&後藤も含めた3声/4声のコーラスワークとともに広がって、オーディエンスの歓喜を刻一刻と高めていく。

当初は小山田&長澤のふたりから始まったALが、4人編成として活動することを発表したのが昨年夏。だが、お互いの音を感じながら歌と演奏を重ね合う彼らの佇まいは、すでに「バンド」としての揺るぎない磁場を宿している。「ALでーす! マッドシティ東京!」(小山田)、「……何て言ったの、今?」(藤原)、「『マッドシティ東京』。知之が『言え』って言ったの(笑)」(小山田)とリラックスした様子で言葉を掛け合ったり、「楽屋で話してたんですけど……『方言を歌にすると、ちょっと難しい』って」(小山田)、「泥臭くなるよね」(長澤)というトークから ♪心の中の色紙ば書くたい〜 と“心の中の色紙”を博多弁アレンジで歌ってみせたりするシーンが、フロアとステージの距離感をあっさり無効化し、その演奏とともに会場一体の高揚感を生み出していたのも印象深かった。

純白のブルースとゴスペルの如き荘厳なハーモニーが融け合う“メアリージェーン”、長澤のアコギ熱唱と小山田のブルースハープが響き合うフォークナンバー“15の夏”など『心の中の色紙』の13曲のみならず、カントリー系ロックンロール“懐かしい雨の匂い”、ひときわ爽快なポップ感に満ちた“たぶん、きっと”などアルバム未収録曲も多数披露していたAL。ハイライトだらけのこの日のアクトの中でも特筆すべきは、本編終盤の“ハートの破り方”。ピアノからドラムにチェンジしながら楽曲を支える後藤、珠玉の歌のタペストリーを織り上げていく小山田/長澤/藤原。穏やかなサウンドスケープがやがて壮大に極まって、観る者すべてを未知の地平へと連れ去ってみせる……まだまだ底知れない奥行きを秘めた、バンド=ALのポテンシャルを雄弁に物語る名場面だった。

アンコール含め計20曲のステージのラスト、「また会いましょう!」と口々に呼びかけた小山田&長澤の言葉に続いてBLITZに響き渡ったのは“花束”。《花束をあげるよ みんな愛してるよ》のリフレインが、最高の一夜の終わりを至福の多幸感で照らし出していた。この歌を、この音楽を、1曲でも1音でも多く聴いていたい――と心から思わせる名演だった。(高橋智樹)

●セットリスト
1.心の中の色紙
2.風のない明日
3.シャッター
4.Mt. ABURA BLUES
5.さよならジージョ
6.懐かしい雨の匂い
7.メアリージェーン
8.会いにいくよ
9.ランタナ
10.ワレモノ
11.おかしなやつのひとりごと
12.たぶん、きっと
13.15の夏
14.リンリンリン
15.あのウミネコ
16.ハートの破り方
17.北極大陸

(Encore)
18.晩酌
19.HAPPY BIRTHDAY
20.花束
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