パール・ジャムはブルース・スプリングスティーンやリンゴ・スターに続いて、反LGBT新法を通過させたことへの抗議としてノースカロライナ州での公演を中止にしている。
バンドは4月8日から北アメリカ・ツアーに乗り出しているが、20日に予定していたノースカロライナ州ローリーでの公演を、同州の反LGBT法案成立への抗議として中止にしたことを明らかにしている。
ノースカロライナ州で成立した新法は、性的指向や性的アイデンティティを理由とする差別を合法化するもので、LGBT市民への保護を目的する今後の法案の成立を妨げるものともなっている。また、公共施設のトイレやロッカールームなどについても生来の性別以外での使用を禁じることを合法化するものになっている。
通称HB2法ともよばれているこの法案の成立について、バンドは次のように声明で明らかにしている。
「先頃通過したHB2法は、アメリカ市民のうちのある集団全体への差別を促す、侮蔑すべき法律です。そのために、ぼくたちは差別に対して立ち上がらなければならなくなりました。ほかのアーティストや事業団体やノースカロライナ州在住の同志とともに、HB2法に異議を表明し、現在受け入れられないものを修復していく働きかけに参加していきます」
さらにバンドは地元の活動団体とも連絡を取り、資金的な援助も提供しながら活動を支援していくことも発表している。
今回の新法については、成立に反対して大手ネット決済会社のペイパルが、400人規模のオペレーション・センターのノースカロライナでの設立を白紙撤回し、ドイツ銀行も支店設立を見送るなど大きな波紋を呼んでいる。また、ワシントンDC首都特別地区、ニューヨーク州、ワシントン州、コネチカット州、ミネソタ州など各地方自治体なども公費を使ってノースカロライナ州へ訪れることを禁止するなどの措置を講じている。