「歌を、歌い続けていきます!」エレファントカシマシ、29年目の決意を叫ぶ! レア曲満載の新春ライヴをレポート!

  • 「歌を、歌い続けていきます!」エレファントカシマシ、29年目の決意を叫ぶ! レア曲満載の新春ライヴをレポート! - all pics by 岡田貴之

    all pics by 岡田貴之

  • 「歌を、歌い続けていきます!」エレファントカシマシ、29年目の決意を叫ぶ! レア曲満載の新春ライヴをレポート!
  • 「歌を、歌い続けていきます!」エレファントカシマシ、29年目の決意を叫ぶ! レア曲満載の新春ライヴをレポート!
  • 「歌を、歌い続けていきます!」エレファントカシマシ、29年目の決意を叫ぶ! レア曲満載の新春ライヴをレポート!
  • 「歌を、歌い続けていきます!」エレファントカシマシ、29年目の決意を叫ぶ! レア曲満載の新春ライヴをレポート!
  • 「歌を、歌い続けていきます!」エレファントカシマシ、29年目の決意を叫ぶ! レア曲満載の新春ライヴをレポート!
  • 「歌を、歌い続けていきます!」エレファントカシマシ、29年目の決意を叫ぶ! レア曲満載の新春ライヴをレポート! - all pics by 岡田貴之
  • 「歌を、歌い続けていきます!」エレファントカシマシ、29年目の決意を叫ぶ! レア曲満載の新春ライヴをレポート!
  • 「歌を、歌い続けていきます!」エレファントカシマシ、29年目の決意を叫ぶ! レア曲満載の新春ライヴをレポート!
  • 「歌を、歌い続けていきます!」エレファントカシマシ、29年目の決意を叫ぶ! レア曲満載の新春ライヴをレポート!
  • 「歌を、歌い続けていきます!」エレファントカシマシ、29年目の決意を叫ぶ! レア曲満載の新春ライヴをレポート!
  • 「歌を、歌い続けていきます!」エレファントカシマシ、29年目の決意を叫ぶ! レア曲満載の新春ライヴをレポート!

計4公演にわたって行われたエレファントカシマシによる毎年恒例の新春ライヴツアー「エレファントカシマシ 新春ライブ 2016」が、2016年1月11日、大阪にてファイナルを迎えた。RO69では、2016年1月5日に東京国際フォーラム ホールAにて行われた東京公演の2日目の模様を、ロングレポートでお届けする。

--------------------------

エレファントカシマシの年明け一発目となる新春ライヴ。2016年は東京国際フォーラムホールAでの2Days。その2公演目となる1月5日のライヴに行ってきた。エレカシほど、ライヴによってそのセットリストが変わるバンドも他にいないのではないかと思うが、今回もまた、思わず「おお!」と声を上げてしまうような楽曲を披露してくれた。30曲超え、3時間超えの濃密すぎるライヴをやってのけながら、時間さえ許すのならこの2倍は突っ走ってくれるのではないかと思わせるほどのタフネス。今回は、ストリングスを全面的にフィーチャーし、いつにも増してスペシャルな夜を彩ってくれた。

総勢6名の金原千恵子ストリングスを従え、”脱コミュニケーション”で第一部がスタート。ステージには上から何枚もの大きな布幕が下がり、洗練された舞台セットが華やかさを増している。ヘヴィなギターと美しいストリングスが奏でる分厚い音にも負けない宮本浩次(Vo・G)の声が広い会場に響き渡り、「2016年のスタートだぜ、エヴリバディ!」と”今はここが真ん中さ!”へと続く。アッパーなロックンロールナンバーが正月ボケも仕事初めのブルーも痛快に吹き飛ばしてくれる。

今日の衣装は全員黒。なんとネクタイを締めての新春モード。途中、「ネクタイ苦しくないですか?」と、宮本が冨永義之(Dr)を気遣う場面も微笑ましかった。第一部の中盤では、宮本が「もともとホールでライヴをやるのは好きだったんだけど、オレたち、やっぱりホールが似合いますね」と言っていて、ああ、本当にその通りだと思った。ゆるやかに歌い出すような曲では、よりその言葉の意味が理解できる。今回のサポートギタリスト、ヒラマミキオのアコースティックギターが静かに鳴りはじめ”あなたへ”が始まり、宮本は、今日のホールの奥行きを確かめるように丁寧に歌う。さらにドラマチックに盛り上げるストリングス。なんて美しい曲だろう。

この流れで最新アルバム『RAINBOW』の曲を続けざまに披露していく。中でもやはり”愛すべき今日”の素晴らしさには心がふるえた。もう何度聴いたかわからないし、ライヴでもすでに何度も披露されている楽曲だが、この日の歌、そして演奏はひとつの迷いもなく、良曲が普遍の名曲へと進化していく過程を体験しているような気がした。その余韻に浸る間もなく始まったのは、なんと”曙光”。会場からは驚きと歓喜の声があがる。気づけば、ステージを彩っていた布幕は少しずつ消えていて、それはまるで、歌い進むにつれて宮本の素の魅力が剥き出しになってくる過程と同期しているかのようでもあった。第一部のラストは”RAINBOW”。圧倒的なドライヴ感を見せつけた後、「ありがとう」とマイクを置いて去っていく。

待ち時間もさほどなく、白いシャツに着替えた宮本が登場し、「第二部スタートさせていただきます」と、始まったのは〝I am happy″。第二部の序盤はバンド4人と村山☆潤(キーボード)、ヒラマミキオ(ギター)のバンドセットで進行していく。”ドビッシャー男””めんどくせい”と、まるでガレージロックのようなアグレッシヴな演奏が続き、強烈な石森のギターも炸裂。続いて「ヒラマさんや村山さんという若い人とやれるのも嬉しいんですけど、古い曲を堂々と今の歌として歌えるのが嬉しいです。今日は調子に乗って、また古い歌を歌いたいと思います。若い頃に、家でうじうじしていた時の歌です」と、弾き語り出したのは”偶成”。1990年にリリースされたアルバム『生活』に収録されたこの曲は、そうか、もう26年前の楽曲ということになる。もちろん古さなど微塵も感じない。むしろ年月を経て、聴く側の思いがそれぞれに込められた分、楽曲が表現する世界はよりリアリティを増して響く。この曲を、2016年にライヴで聴けたことがとても嬉しい。

そして、再び金原千恵子(Violin)、笠原あやの(cello)を呼び入れ”リッスントゥザミュージック”へ。このストリングスチームは本当に素晴らしい。客演というスタンスを飛び越えて、しっかりエレカシの音世界に入り込んで芯から彩りやうねりを与えていくのだ。エレカシの演奏、そして宮本の歌に触発されて、予想以上に振り切れていったのは、今夜、むしろこの2人だったと言っても過言ではない。

本編ラストはまたバンドセットに戻り”ガストロンジャー”、そして「一緒に素晴らしい空間を作り上げました。ありがとうエヴリバディ! みんなに捧げよう」と”ファイティングマン”へ。広い会場が大きく揺れる。振り上げられる拳が美しく力強い。アンコールの拍手が鳴り止まない中、1分たらずで再びステージに戻り、1曲目は”俺たちの明日”。新年に背中を押す力強いメッセージとして胸に響く。「時間、まだ大丈夫ですか?」と、気にしつつも「ワン、トゥー、スリー、フォー!」のカウント後、”風に吹かれて”のイントロが始まるやいなや「ごめん、曲名とか何も伝えてなかった」と演奏をストップさせる宮本。「何も言ってないのに、みんな、カウントだけで(何の曲をやるか)よくわかったね」と、なんともグッとくる瞬間もあり、最後は”花男”でこの新春ライヴを締めくくった。歌の途中で高らかに宣言した「歌を、歌い続けていきます!」の言葉。この力強い言葉は、そのまま私たちへのエールでもある。素晴らしい新年の幕開け。ああ、もうすでに次のライヴが待ち遠しい。(杉浦美恵)

●セットリスト
(第一部)
01.脱コミュニケーション
02.今はここが真ん中さ!
03.悲しみの果て
04.デーデ
05.彼女は買い物の帰り道
06.あなたへ
07.TEKUMAKUMAYAKON
08.なからん
09.昨日よ
10.シナリオどおり
11.永遠の旅人
12.愛すべき今日
13.曙光
14.Under the sky
15.雨の日も風の日も
16.3210
17.RAINBOW
(第二部)
18.I am happy
19.ドビッシャー男
20.めんどくせい
21.偶成
22.リッスントゥザミュージック
23.Destiny
24.桜の花、舞い上がる道を
25.笑顔の未来へ
26.新しい季節へキミと
27.ズレてる方がいい
28.ガストロンジャー
29.ファイティングマン
(encore)
30.俺たちの明日
31.友達がいるのさ
32.風に吹かれて
33.花男

--------------------------
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする