来日したマキシムに直撃! 盟友キース・フリントの死、その非常事態を乗り切るセラピーとなった新作、またそれを生んだ音楽的背景について、余すところなく語った!

来日したマキシムに直撃! 盟友キース・フリントの死、その非常事態を乗り切るセラピーとなった新作、またそれを生んだ音楽的背景について、余すところなく語った! - pic by YUKI MAEDApic by YUKI MAEDA
●それにしても今年に入ってかなり急ピッチに仕上がった作品になったという話ですけれども、やりたい気持ちはあってもなかなかとりかかるきっかけがなかったということなんですか。

「それはここ2年間はかなりヘヴィにツアーしていたから、これに取りかかる時間もなかったんだよ。

特にヨーロッパとか、精力的なツアーを組んでいる時っていうのは、終わった後で、まず一番やりたくないことがスタジオに戻ることなんだ(笑)。レコーディングよりも、まずは家族と一緒にいたいから(笑)。

子供たちもいるし、そんなこんなでリラックスしたいっていうか。だから、明らかにキース(・フリント)のことがあって、それがきっかけになってはいるんだ。あのことがあったから、気持ちを集中させるテーマを向けられたっていうか。

ある意味で、それがそのまま自分にとってのセラピーになったっていうね。これほど早くに形になったのはそのせいなんだよ」

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●ちなみに2000年に『ヘルズ・キッチン』、05年に『フォールン・エンジェル』とリリースして、それから14年もソロを作ってなかったのは、端的にプロディジーの活動に没頭していたからということなんでしょうか。

「うん。その頃プロディジーで出したのが『オールウェイズ・アウトナンバード・ネヴァー・アウトガンド』。

それからベスト盤を出して、そこから『インヴェイダーズ・マスト・ダイ』までの間に、勢いがまたものすごいついて、そこから先は常にツアーをしている状態で、自分のアルバムなんて考えはまるで思いつかなかったんだ。

ツアーからやっと休みをとれるとなったら、さっきも言ったように、家族とどう過ごすかということになるわけだから(笑)。あと、数年前からDJもやってたから、それで自分のルーツであるレゲエを一度きちんとやってみようかなっていう気持ちになったっていうこともあるんだけど」

●たとえば、“Rudeboy”なんかはまるで女性の視点から書かれて、女性ボーカリストのKaliに歌わせていますよね。

「けど、全部俺が書いてるんだよ(笑)」

●(笑)。その作業は具体的にはどういうものだったんですか。

「Kaliとはそもそも“Mantra”のレコーディングで来てもらってそれを仕上げた後に、(共同プロデューサーの)Blaze Billionsと(以前に作成していた)ループ音源を引っ張り出してきて、『これなら今使えそうだな』って、“Rudeboy”の歌詞をその場で15分くらいで書き上げたんだよ。

それでKaliにレコーディング・ブースに入ってもらって、フレーズごとに歌ってもらったんだ。『次はこれ、次はこれ』って具合にね。それをまとめてああなったんだよ。

結局、別なフレーズもまた思いついたから、後日また来てもらうことにもなったけど、基本的にそうやってできた曲なんだよ。おそらく、俺にとって最も早く出来た曲だと言えるよね」

●最終的に、この曲の独特なカリビアンな雰囲気など、最終的にレゲエ・アルバムにはならなかったとはいえ、あなたの背景をよく表わす作品になっていますよね。あるいはレゲエ風のMCというか、トースティングがあなたのバック・グラウンドやアイデンティティをよく伝えるものになったと思うのですが。

「うん、ああいうトースティング・スタイルも意識的にやったもので、というのも、プロディジーとしての俺を聴いてくれている人たちはみんな、こういうスタイルの俺を聴いたことがないからなんだよ。

だから、今度のアルバムについて、『なんでこんなスタイルのものやってるんだ?』っていう人もいるんだよね。『今更これをやるの?』っていうね。でも、プロディジーで活動する10年前、俺はずっとこれをやってたってことなんだよ(笑)。

俺がそもそもプロディジーに行き着いたのは、その10年前からこれをやってたからっていうね、結局、そこに落ち着いたんだ(笑)。だから、俺の中にあって俺自身のものを音にしてみただけのことで、俺とは違うものはまったく入ってないアルバムなんだ」

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