新曲なのだが、実は随分親しんでいる。4月からCMでオンエアされ、5月のJAPAN JAM BEACH 2016でも披露した。そして本誌7月号の10ページにわたる山崎総編集長によるインタビューで、この曲が生まれるまでの経緯や背景をたっぷり語っている。アルバム『RAIMBOW』からのシングルカットではなくCMの依頼があっての書き下ろしなので、宮本浩次も気合が入ったに違いない。おおらかで力強く、ドラマチックに訴える力がある、これぞエレカシと手を打つ曲だ。不器用そうに見える彼が、《POWER　ひとくちの力》と入れて欲しいとのオーダーにきっちり応え、しかも自分の言葉・曲として完成させるまで、どれほど頭を掻き毟ったことかと、想像してしまう。伝わる曲なのも当然だろう。カップリング“i am hungry”は7月に始まったTVドラマ『侠飯～おとこめし～』のオープニング曲だが、これも作品の意図を宮本流に咀嚼した粋な曲。横揺れのグルーヴィなサウンドとポップなメロディが宮本のタフな歌を際立たせている。迫力あるポーズを宮本が決めているジャケ写を含めインパクト絶大だ。（今井智子）