これは何らかの変化の予兆なのか

ザ・クロマニヨンズ『キスまでいける』
2014年08月06日発売
SINGLE
ザ・クロマニヨンズ キスまでいける
ほとんど休むことなく全国縦断爆撃のようなツアーを繰り返し、次から次へと作品を送り出す印象がある人たちだが、シングルとしては1年8ヶ月ぶり、最新アルバム『YETI vs CROMAGNON』からも1年半ぶりの新曲である。ここまで間があいたのは初めてだ。

ベスト盤の発売を間にはさみ、疾風怒濤の活動に一区切りをつけた気分もあったのかもしれない。タイトルが示すような思春期的な甘酸っぱい体験をシンプルな言葉で綴ったリリックを、これまで以上にシンプルで作為のないメロディとアレンジで歌った“キスまでいける”は、今までだったら高速8ビートのパンク・ロックでぶっ飛ばすところかもしれないが、ミディアム・テンポの落ち着いた曲調で意表を衝かれる。もう1曲も、タイトルとは裏腹の、50~60年代のR&Bを思わせるゆったりとグルーヴする曲調だ。2曲とも歌詞の字面以上に繊細な感情が表されているのが興味深い。9月には新アルバムのリリースが控えているが、この変化がこのシングルだけのものなのか。それとも彼らの中で何かのスイッチが切り替わったのか。要注目だ。(小野島大)
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