骨折デイヴの気迫に圧倒。フジロック直前フーファイ入魂NY3時間ライブを観た

骨折デイヴの気迫に圧倒。フジロック直前フーファイ入魂NY3時間ライブを観た - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA
骨折デイヴの気迫に圧倒。フジロック直前フーファイ入魂NY3時間ライブを観た - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA
骨折デイヴの気迫に圧倒。フジロック直前フーファイ入魂NY3時間ライブを観た - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA
フー・ファイターズが、7月15、16日にNYメッツ球場でライブを行った。観客は各5万人ソールドアウトだ。

骨折したデイヴが一体どんな風にライブをやるのかと思って、フジロック直前だし観て来たのだけど、これが、いつもの1.5倍増しかという気迫だったので、もう圧倒されっぱなしだった。デイヴのハンパない気合いに感動しまくりだったとも言える。

とりわけ、今回写真を撮れるパスをもらっていたので、超至近距離で観たというのもあったかもしれないけど、最初の3曲、もうここで倒れるんじゃないかという勢いだったので驚いた。もちろん5万人をこれから盛り上げようとしているわけだから、最初の3曲が特に大事というのは分かる。しかし、骨折しているのにこの気合い。というか、骨折してるからこその気合いなわけだが。骨折してなくて走り回れなくても、同じだけ盛り上げようというその姿勢は、ほとんど死ぬ気の覚悟、とも言えるほどだった。世界一のロックスターってこういうものなんだ、と改めて思い知らされた。

デイヴは、この日何度も「俺がやろうとしているのは、とにかく音がバカでかい、ただのロックンロール・ショーだから。それだけだから!」と言っていた。真のロックンロール・ショーってものがどんなものなのか、俺が見せてやろうじゃねーか、という気合いなのだ。デイヴ・グロール、ロックンローラーの中のロックンローラー。フジロックも絶対に絶対に凄いものになると皆さん思っていると思うけど、それ以上なので、お楽しみに!!!

びっくりしたのは、デイヴがもちろん動けないわけだから、どうするのかと思ったら、デイヴが座ってる『ゲーム・オブ・スローンズ』のような台座が、なんと花道をどどーーーんと突き進んだこと。すげーー。
骨折デイヴの気迫に圧倒。フジロック直前フーファイ入魂NY3時間ライブを観た - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA
しかも、ライブは、いきなり1曲目から”Everlong”、そして2曲目”Monkey Wrench"でこのイスがどどーんと花道を突き進み、そして3曲目”Learn to Fly”という、出し惜しみなしの3連発ときた。この日のモードが分かっていただけるのでは。

そして、その勢いのまま、なんとライブは結局3時間も行われた。

デイヴが「俺が会場に入って毎日最初にプロモーターに聞くことがあるんだ。それは終了時間は決まっているのか?ってこと」。この日はそんなわけで、8時半に始まって終わったのが、11時20分頃だった。しかも、アンコールで引っ込まないで、ぶっ続け。デイヴ・グロールか、ブルース・スプリングスティーンかってくらい、頂点に次ぐ頂点の3時間。

ただ、デイヴらしいのは、途中で、骨折の解説が始まったこと(笑)。YouTube の映像を巨大なスクリーンに映し出して、どのように自分が落ちてしまったのかを説明。さらに、折れた足のレントゲンから、病室で暇だったので、この日座っている台座を思いついたとそのデザイン画まで公表していた。笑っちゃうのが、そのデザイン画がこの”骨折ツアー”の新たなTシャツになっていたこと(笑)。どんなマジなロックンロール・ショーでもかならず笑いが入るのが、フー・ファイターズならでは。

さらに、とにかく突っ走ってるばかりでもなく、なんと、台座から降りて、松葉杖で、花道を歩く場面もあって、そこはさすがじーんとしてしまった。
骨折デイヴの気迫に圧倒。フジロック直前フーファイ入魂NY3時間ライブを観た - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA
骨折デイヴの気迫に圧倒。フジロック直前フーファイ入魂NY3時間ライブを観た - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA
花道の真ん中あたりまで来て、その時はアコギで、”My Hero”と、”Times Like These”を披露。この日、もうひとつデイヴがよく言っていたのは、5万人の観客に「お前らの顔が観たい!」だった。それで、灯りを点ける場面が多かった。それから、「お前らの声が聴きたい!」と言ってシンガロンをする場面も多かったこと。当然、”My Hero”や、”Times Like These”はシンガロング・タイムである。思うに、デイヴは自らみんなの方へ向かっていけないから、いつも以上に観客を近くに感じたいと思うんじゃないだろうか。だから、フジロックでも大合唱に期待!

この日はスタジアムという5万人も集まる会場が満員だったために、「何度も言うけど、俺達はこのバンドを始めた時にこんなにデカイ会場でライブがやれる日が来るなんて思ってもみなかったんだ。みんながいなかったら俺達はどうなってたか分からなかった!」と言って、ファンに捧げて”Breakdown”を披露したりした。

また、「俺は踊りたくても踊れねーんだから、お前らが踊れ!」と言って、”All My Life”などでは長いギターソロを披露。最新アルバムからの”Outside”でもサイケなギターソロを披露していて、このギターソロがフジに響いたら最高だろうなあと思わずにいられない場面もあった。つまり、単にうぎゃーーーと押せ押せというだけではなくて、聴きどころも満載だった。

さらにダメ押しで、バッド・ブレインズがゲストで登場!「彼らのアルバムを聴いて俺はドラムを勉強したんだ。今日は俺の夢が叶った瞬間を、お前らも一緒に目撃しているというわけだ」と言って、”How Low Can a Punk Get”と、”The Regulator”を披露。ライブの重さも激しさも一気に増した。

そして最後は、やっぱり”Best of You”!!!

フーファイのすべてが、ベスト・オブ・フー・ファイターズのライブが展開したこの日。デイヴが骨折したことで、やる方も、観る方も期せずして意味が深まってしまったような素晴らしいライブだった。この勢いでフジロックまで行く!お楽しみにーーー!!!

フジロックって終了時間は決まっているのでしょうか?!

あ、そうだ。デイヴの気合いもすごいけど、この日一番前のかぶりつきにいたファンに聞いたらなんと朝7時に列に並び始めたというのだ。ファンも素晴らしい。

セットリスト
1. Everlong
2. Monkey Wrench
3. Learn to Fly
4. Something From Nothing
5. The Pretender
6. Big Me
7. Congregation
8. Walk
9. Detroit Rock City (Kiss Cover)
10. Jailbreak (Thin Lizzy Cover)
11. School's Out (Alice Cooper Cover) 9-11はメンバー紹介の中で1番だけ(もちろん最後まで演奏できるけどと断っていた)
12. Cold Day in the Sun
13. My Hero (Acoustic)
14. Times Like These (Acoustic)
15. Under Pressure (Queen & David Bowie Cover)
16. All My Life
17. These Days
18. Outside
19. Breakout
20. Dear Rosemary
21. Breakdown (Tom Petty Cover)
22. White Limo
23. Arlandria
24. How Low Can a Punk Get (Bad Brains Cover)
25. The Regulator (Bad Brains Cover)
26. This Is a Call
27. Best of You

骨折デイヴの気迫に圧倒。フジロック直前フーファイ入魂NY3時間ライブを観た - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA
骨折デイヴの気迫に圧倒。フジロック直前フーファイ入魂NY3時間ライブを観た - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA
骨折デイヴの気迫に圧倒。フジロック直前フーファイ入魂NY3時間ライブを観た - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA
骨折デイヴの気迫に圧倒。フジロック直前フーファイ入魂NY3時間ライブを観た - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA
骨折デイヴの気迫に圧倒。フジロック直前フーファイ入魂NY3時間ライブを観た - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA
中村明美の「ニューヨーク通信」の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする