フー・ファイターズ、『ソニック・ハイウェイズ』特別ライブがあまりに素晴らしくて感涙。

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フー・ファイターズが、『ソニック・ハイウェイズ』というこの特別なアルバムのために特別なツアーを行った。

レコーディングを行った全8都市で、まずケーブル局用に収録したドキュメンタリー番組を放送し、その後にライブを行うという趣向になっているのだ。

その最終都市となったニューヨークのライブに行って来たのだけど、これが感涙ものというか、ドキュメンタリーを見て、ライブを見ると、アルバム全体の主旨がより実感できて、そこに込められた様々な思いがより分かりじーんとしてしまうものだった。

そもそも、この日のライブ会場はキャパたった1000人ほどのアービングプラザ。チケットはライブのある日夕方にインターネットではなくて会場のみで発売で、3時以前には並んではいけないというルールになっていた。とは言われても普段はスタジアムすら埋められるバンドなわけで、実際は、ほとんどその列は暴動にも近い騒ぎになっていた。しかもチケットはたったの20ドルだったし!

このライブは、何と言うかその基本的な過程からして素晴らしい。ニューヨークではニューヨークの回を放送して、そこでライブをやるという。非常にシンプルなやり方なのだけど、そこに人がチケットを買いに集まり、ニューヨークの回がいざ放送された瞬間には、フーファイのファンである以外は他人である人達と、これぞコミュニティってことだろう、と思うような妙な結束が生まれているのだ。

8都市の最終回となった番組のニューヨーク編は、「最後に来るのはこの都市しかないだろう、ニューヨーク!」と始まるので、もう会場が盛り上がらないわけがない。しかも、番組では、この会場を出れば目の前に広がる自分達が今住んでいるその街のロックの歴史が描かれているわけで、ラモーンズが映ったり、ビースティ・ボーイズが映ったりと、ひとつひとつのシーンに拍手が起きたりする。しかも、その後に、バンドが出て来て演奏すると、それが、なんというか、彼らのような偉大なミュージシャン達がいて、そのおかげで俺達が今ここにいるんだという、コミュニティのみならず、音楽の歴史の一部という観点も生まれ、この『ソニック・ハイウェイズ』に描かれた物語、その意味がどんどん深くなっていくのだ。

そしてそこにはデイヴがここ最近言っていたような、それが未来へどのように繋がっていくのかという、そういうメッセージも託されているような気がした。

個人的に番組を見ていて一番感動したのは、今回フーファイが使ったスタジオというのは、マンハッタンでも最も高級な店が並ぶソーホーという地区のど真ん中にある。そこでデヴィッド・ボウイがレコーディングをしていたのに誰も気付かなかったという箇所だ(笑)。あり得ないような本当の話で、すごくニューヨークらしいエピソードだと思った。

放送の後に行われたライブは、なんと2時間40分にも及ぶ長丁場。それがあっと言う間に思えるような勢いで演奏できてしまうこのバンドのヒット曲の多さ、緩急織り交ぜ観客を飽きさせない演出の素晴らしさにも感動。番組つながりでか、デヴィッド・ボウイの”Under Pressure”のカバーも見どころのひとつだった。「ロック史上最高の曲をカバーしようと思うくらい俺達バカなバンドなんだ」と言ってから演奏したのが彼ららしかったけど。

さらに新曲については、番組を見ていても分かったけど、今回は、彼らが自分達の内面の物語を語るのではなくて、外からのインスピレーションを元に語り部になろうとしたからこそ、これまでのフーファイの曲とは少し感触が違う部分があるのだなあということ。バンドというのは常に新たなインスピレーションを捜し、新たな曲を書こうとしているわけだけど、これだけ長い歴史のあるバンドが、本当に自分達が信じられるようなインスピレーションに巡り会えて、新たな曲を書けるというのは幸せなことだなあとも思った。

ライブでは、今回訪れた場所で一番感動したのはナッシュビルだったとも明かしていた。「人が暖かくて、ご飯もおいしくて」と。しかし、番組の中でデイヴが言っていたように、最後はニューヨークしかあり得ないという、『ソニック・ハイウェイズ』に込められた様々な物語や音楽性がここで、ひとつにしっかりとまとめ上げられた本当に素晴らしい夜だった。

ちなみにこのニューヨークの最終回は、日本でも日曜日に放送されるようです。必見です。
http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/105616/index.php?ad_id=gs00000017827&gclid=CJ_IioHevcICFVEJvAodr3cATQ

この日のセットリストはこちら。
1.Outside
2. The Pretender
3. Learn to Fly
4. White Limo
5. Arlandria
6. Rope
7. My Hero
8. Hey, Johnny Park!
9. Monkey Wrench
10. Congregation
11. Walk
12. Cold Day in the Sun
13. I'll Stick Around
14. In the Clear
15. Big Me
16. Something From Nothing
17. Times Like These
18. These Days
19. Miss You (ローリング・ストーンズカバー)
20. Breakdown(トム・ペティカバー)
21. Under Pressure (クリーン&デヴィッド・ボウイカバー)
22. All My Life
23. This Is a Call
24. I am a River
25. Best of You
26. Everlong
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