luki、闇と光を描き、そして自由になる

luki、闇と光を描き、そして自由になる
渋谷LUSHでのluki、ワンマンライブを観た。

彼女のライブを長らく見てきたが、特に中盤からの展開が明らかに新境地と呼べるものだった。
CUTにて山田ルキ子名義で映画コラム『小さなスクリーンの中で生きていたい』を連載中の彼女らしく、MCでは昨日のアカデミー賞の話題から、フィリップ・ガレルのようなミニマリズムの作家の映画も好きだという話になり、その趣向を音楽に注いだという、ファーストアルバム『東京物語』収録の“モノクロームの恋人たち”へ。
そこから彼女の闇の部分から生まれていると思われる、極めて濃密な、ダークファンタジー映画を3Dで観せるような楽曲が立て続けに届けられた。
しかし“虹色のファンファーレ”と紹介された新曲で、その闇からのメッセージを一気に光に向かうメッセージへと昇華。
さらに立て続けに披露される新曲においては、これまでの彼女の世界観重視のパフォーマンスとは趣の異なる、自由で開放的な新たなlukiのステージが現れたのである。
そして、終盤にかけてはライブで定番の楽曲もより豊かな表情を見せ、いつも以上に熱くエモーショナルなパフォーマンスを展開。
さらにアンコールラストでの“奇跡の続き”と紹介された新曲は、ステージの客席の境目にある見えない何かを歌とメロディの力で溶かしてしまうような、彼女の新たな代表曲と呼べる力強い楽曲だった。

5月24日には、再びこの渋谷LUSHでワンマンライブが開催されることが発表された。
そこでは、この新たなlukiがより全開になったパフォーマンスを観ることができるに違いない。

写真は現在、発売中のCUTに彼女が書いた映画コラムのページ。
アカデミー作品賞を受賞した『スポットライト 世紀のスクープ』をいちはやく高く評価するテキストを書いています。(古河)
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