lukiの『黒うさぎ』発売記念ワンマンを観た!

lukiの『黒うさぎ』発売記念ワンマンを観た!
今日は、渋谷o-nestでlukiのワンマンライブ。CUT誌面では、映画ライター・山田ルキ子としても活躍中の彼女が、キャリア最高傑作と呼べるアルバム『黒うさぎ』をリリースしての、記念すべきワンマンでした。


lukiというアーティストは常に、自己を否定する強い衝動と向き合いながら、音楽を紡いできたシンガーソングライターだ。その衝動は彼女の中にあるものだが、彼女自身を苦しくさせるもので、lukiは音楽という武器を使うことで、それに立ち向かうことができる。


これまでのアルバムも、彼女のそうした表現の軌跡を様々な言葉と音像で描いてきたものだったが、『黒うさぎ』はそんな自分の存在自体をポップに客観視することで、かつてなく等身大で開かれたlukiのイメージを打ち立てるものだった。だからこそ、今日はきっと自然体なライブになると思ったが、その通りだった。


ライブ自体は75分くらいだったが、彼女の表情にも、言葉にも、仕草ひとつひとつにも、かつてない安定感があった。ギター、キーボードにドラムスを加えたバンド編成も、もはや完成形と呼べる緻密さと迫力と緊張感で、楽曲の尖った部分を余すことなく伝えてくる。


また、ワンマンならではの見どころで言えば、インスト曲“深淵のゆらぎ”でのlukiのハーモニカは、今日は特に叫んでいたし、歌っていた。様々に楽曲のスタイルを変えてきた彼女だが、ハーモニカは初期から一貫してlukiらしさの核心でもあり続けてきた。それを改めて感じた夜だった。


アルバム未聴の人も、ぜひ聴いてみて欲しいと思う。(松村)
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